夜についたので、朝ロッジの窓を開けて初めて自分のいる場所の風景を認識する。
ここはグーグルマップで出てきたタトパニ(温泉)なわけだけど、数少ない写真が本当にこの場所なのか断言ができないし、お湯はなかった、みたいなコメントもあり温泉があるかは行ってみなきゃわからんという感じだった。ドキドキしながら集落の中に歩いていくと…
温泉あったーー!!少しぬるめだけど、ちゃんと温かいお湯が出て、貯められている。最初ローカルの人達が数人入っていたが、空いたので俺らもはいる。脱衣所的なものはなかったので隠れるようにして水着に着替える。ネパールは全裸禁止。彼女もラッシュガード持参。ちなみにネパールの温泉を細かく探すと10箇所くらいあるんだけど、ここ以外はすべて沢沿いにある(俺調べ)。山腹から山々を眺めながら入れるのはここだけだ。
なお日本に戻った後、たまたま読んだガイドブックにここの温泉のことが少しだけ書かれていたが、そこには「2015年の地震の影響でお湯がでなくなった」と書かれていた。ということはその後再度出るようになったのだろう。よかった。
対岸に渡りたいので、車道から外れ谷を一気に下る。道がどれほどあるのか不明だったけど一応マイナーなトレッキングルートらしく、数人登ってくるトレッカーとすれ違った。
橋を渡るとごく小さな集落があった。この上流にグーグルマップでTatopaniとなっている場所があったのだが、それ以上の情報は書かれていない。さて、ここに本当に温泉があるのか、それが俺の最大のチャレンジ。彼女はちょっと疲れているから集落で待つということで、俺も荷物を下ろして空身でTatopaniへ向かう。
もともと工事現場?への道だったようだが今は使われおらず半分崩落している。ただ砂利の上を歩いている最近の足跡もある。工事もしていないのに踏み跡があるということは、この先に何かしら目的があるということだ。果たしてそれは…?
おそらくここでダムに関する何らかの工事が行われ、そのときに出てきた温泉なのだろう。瓦礫の下からぬるい水が排水パイプで流れ出し、貯められている。でもこれは温泉だ。素晴らしい。俺は完全に自然の野湯より、こういう人の手が少し関与した野湯こそが一番好きなのだ。そしてここをグーグルマップに追加した誰かに感謝。
ちなみにこれをグーグルマップでレビューしておいたら、数カ月後にここを訪れたトレッカーが「ただの温かい下水だ」とレビューしていたw まあ野湯という概念を持ってないとわからんよね。
車で越えられる中国国境が近いので中国物資が多め
チリメの街まで歩いて、ローカルな食堂でチョーメンを食べる。店内に虫が多いがチョーメンは美味しい。ここから峠を越えてシャブルベシまであと数時間歩くつもりだったのだが、ジープのドライバーにシャブルベシまで1000ルピーで送っていこうかと言われたので乗ることにした。ただ他のところいってくるからここで待っててくれと言われる。
ジープで30分も走ったらシャブルベシに着いた。ドライバーが「俺は明日カトマンズのほうに行く用事がある。数千ルピー(細かい金額忘れた)で乗っていかないか?」と誘ってきた。来るときのバスに大きな不満なかったのだけど、彼に乗せてってもらったほうが小回りが効くかなと思ってお願いすることにしてWhatsAppを交換した。ところが夜になって翌朝の待ち合わせを決めようと連絡したのだが連絡がつかなくなり、どうしたものかと思っていたら夜中に「ミスターすまない、なんたらかんたら」と連絡があった。はっきりとはわからないが行けなくなったという意味だろうと判断し、結局帰りもバスになった。
そしてシャブルベシも川沿いにTatopaniというプレイスがあるので行ってみた。俺らが下りるとき登ってきたトレッカー?に Not so good. と言われたが、行ってみるとわずかにお湯が出ている状態だった。まあこれも確かにちゃんとした温泉を期待してたらがっかりするかもな。でも俺にとってはむしろご褒美です。Tatopani最高。
ちなみに浴槽の奥の崖にパイプがあって、切れ目からけっこう熱いお湯が漏れていた。これを直したら浴槽にもっと熱いお湯を貯められそうだけど、ネパールの人はそこまでして温泉に入ろうっていう気持ちがそんなにないのだろう。ちょっともったいない。
ネパールは昔ほどではないとはいえ今でも電力事情がよくないのにやたら電飾したがるというのはネパール日記の最初に書いたが、秋にあるティハール(光の祭り)のときはそれが最も盛り上がる。この日はちょうどティハール初日。ホテルからイルミネーション頑張るなあと眺めていたら停電した。隣のトレッカーと顔を見合わせてThis is Nepal.と笑い合う。
翌朝7時頃バスに乗ってカトマンズへ戻り、翌日1日だけカトマンズの観光をして夜の便でタイ経由で日本に帰った。ネパール、とても楽しかった。そして予定していた計画のすべてを実行できたのは運も良かったし、ネパールで出会った人たちのおかげでもあった。初めての海外旅行がネパールで良かったと思う。(完)
家に幸せを呼び込むティハールの飾り
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