Tuesday, July 25, 2017

2017-05-28 奥多摩 日原

前回の続き。明け方になっても雨は多少降っていたけど起きる頃にはほぼ霧になっていた。

東日原のバス停前の階段。数年前に見て惚れた。なんど見ても素晴らしいなあ。自分のカメラはフルサイズで24mmで撮ってるのでそこそこ広角なんだけど、それでもこの階段の全景と景色を一緒に写せないのが口惜しい。この写真ではこの階段の魅力のごく一部しか表現できていない。

学校は廃校になっていた。集落の規模からすれば小中学生もいるはずだけど、バスは本数あるからバスで奥多摩まで通ってるのかな。

かなり素敵な階段だけど残念ながら個人宅へのアプローチです。

雲上の階段群、というのはなかなか見られない貴重な光景。

奥多摩及び日原の主要企業である奥多摩工業の寮跡と思われる。奥多摩工業の石灰岩産地がすぐそこにあるので寮もいっぱいあるんだけど、ほとんどが空き部屋になっている。奥多摩工業がかつてより縮小してるのもあるし、今は車で奥多摩から通勤する人が多んじゃないだろうか。

コカ・コーラ、フジカラー、オロナミンCの看板。古く見えるけどオロナミンCの看板は錆びてないし設置して10年以内という気がする。

奥多摩日原、思った以上に楽しめる階段群でした。がんばって来てよかった。帰り際に撮った写真ですが、集落の向こうにある稲村岩のおかげでものすごくマチュピチュっぽく見える。さてここからひたすら奥多摩まで歩いて下ります。

川の上に見える鉄橋は日原で採れた石灰岩を奥多摩まで運ぶ奥多摩工業のトロッコ専用線。観光に良さそうにも見えるけど、線路のほとんどが地中を通るので景観はほぼ楽しめないだろう。しかし奥多摩から日原までけっこうな距離をトンネルで通してるってことからも、奥多摩工業がとても繁盛していたことがわかる。

奥多摩と日原の中間地点にある大沢集落。この集落は日原街道から分岐した道の先にあるかなり高低差のある場所だけど、バス停は日原街道沿いなので上の方に住んでいるとかなり大変そうだ。もちろんほぼ車だろうけど。

集落の上から見た写真。奥多摩駅は尾根を3つ4つ越えた先です。

奥多摩に9:40に着きました。自分が主催のBBQの集合時間が10時だったので間に合ってよかったw しかし日原集落はほんとにいい場所です。日原は鍾乳洞で有名だけど、日原に行くことがあったらぜひ集落も見てみてください。

https://goo.gl/photos/eraoYuV7FYLDebYb7 この日のアルバム。

Wednesday, July 5, 2017

2017-05-27 奥多摩むかし道

5月末の週末に奥多摩に行ってきました。奥多摩駅周辺は何度も行っているのですが、今回は奥多摩駅から奥多摩湖までの間にある集落の階段が目当てです。行くまであんまり気にしてなかったんですがこのルートはちょうど奥多摩むかし道という古道にあたります。奥多摩むかし道についてはここでは詳しく書きませんが(そもそも詳しくない)、まあつまりは青梅街道が車道になる前の旧街道ですね。中山道や東海道ほどメジャーな街道ではないため残ってる史跡も派手なものはありませんがそのぶん「保存してる」感じじゃないリアルさがありました。

いきなりですが本来の奥多摩むかし道はこの斜面の上の道です。でもこの上は以前に歩いたことがあるので今回はパス。めっちゃ長い神社への参道があります。

すぐそこが奥多摩駅で、駅周辺はそこそこ栄えているんですが、ちょっと離れるともう森に隠されて見えなくなってしまう。

奥多摩駅を離れて一つ目の集落。ただし住所は奥多摩駅周辺と同じ奥多摩町氷川。まだそこそこ街らしい感じがあり、売店等もあります。

猫かわいい。

この日の天気予報は晴れだけど、けっこう雲が多かった。奥多摩までくると標高が5〜600mあるので雲が近い。

次は境集落。残念ながらうまく写真を撮れるスポットを見つけられなかったけど、ここはとにかく絶壁のような土地に集落が作られていて見た瞬間に笑っちゃいそうになった。すんごい。


奥多摩駅より上流で多摩川はかなり蛇行していて、半島状の土地に集落が作られている。地形的に家が作りやすいわけでもないと思うけど、凹状の谷筋は鉄砲水や土砂崩れが起きやすいので凸状の半島部のほうが安全、ということがあるのかもしれない。

境集落の一番上にあった民家はどうも空き家になっているようだった。そんなに古くないし、見晴らしがものすごく良いので古民家カフェをやったら人気出そうなロケーションだ。一番高台のわりに、駐車スペースもあったし。

しかし上にくるのに車道は1本なんだけど、水道の工事をしていて車は通行止めになっていた。民家はたいして多くないとは言え、車を持ってるひとは下に停めたんだろうか。

ここも住所は境だけど、青梅街道からは離れたところに独立してる小さな集落。上に見えるのは奥多摩と奥多摩湖の小河内ダムを結んだ水根貨物線跡。Google Mapsの地図と衛星写真で確認すると鉄橋の下をくぐってずっと上の方まで道が続いていて、点々と住宅がみえる。今でも上まで住んでる人がいるんだろうか。そのうち確認しに行ってみようと思う。

検索したところ上の集落を通っていくルートを使って探索したひとのブログを見つけました。

境集落から小中沢中流へ至る山道を探索 1/2 ――― 途中で山道は消え失せ・・・・

ふーむとても興味深い。

集落の下に降りてみる。左下にあるのが境の清泉という湧き水。ものすごく冷たいこともないけど美味しい水だった。その脇ではわさびを栽培している。奥多摩はわさびの産地でもあります。

地図上では集落下部にあるこの家がやませみハウスという名前になっていたのですが、現在は空き家でした。前はなにかしらの施設だったんだろうか。

しばらく舗装されていない道を歩きます。階段の上は白髭神社。耳神様、歯神様といった土着信仰の像が時折あり興味深い。

この辺はかなり小さな集落で、地図上では集落の名前を確認できず。石柱にむかしみちと書かれていますが昔の人はむかしみちとは言わないのでそんなに古い石柱ではないでしょう。

古いけどなかなか立派な家。倉もあるし。土曜日だったこともあり、時々むかし道を散策している中高年グループとすれ違う。歩いてる人間のうちでは自分が一番若いくらいに思えた。まあ中山道のような観光的要素も低いしかなりいぶし銀な場所だからねえ。

途中多摩川にかかっていた吊橋の渡し板が木製で、ところどころ緩んでるところがあったりしてなかなかスリリングだった。同時に渡れるのが2人までとかなり少ないのがまた不安にさせる。

素敵な一軒家。こんなところに住んでみたいものですねー。

建物はかなり古いが、オロナミンCの張り紙は意外にも新しい。次の日の日原集落でも新しいポスターがあったし、オロナミンCはこういう集落で営業活動してるんだろうか。

この辺は空き家率がかなり高かった。さらに1軒、ドアも窓も開けっ放しなので家の中が丸見えで、中に家具や布団があって最近まで住んでた雰囲気はあるけど葉っぱのつもり方からみて数週間以上は放置されている、という家があった。家主が急病で入院とかするとそういうことになるんだろうか。家主が戻らなければそのまま朽ちていくしかないだろう。

この上に道路が走っててそこに直接アプローチするショートカットないかな…と思ってたんですがこの崖はさすがに無理ですねw 道が回り込んでいるのには理由がある。

むかし道はこっちと書かれてるけど、この道を通るとたぶん中山集落の上部に直接アクセスすることになって中山集落の下部が見れないのでここを通らず車道を歩いて青梅街道へ戻ります。

山の中にある赤い屋根がおそらく中山集落。地図にある浅間神社かと思ったけど神社ではないようだ。写真で見るとそんなに遠くないようにみえるけど、実際には「え、いまからあそこまで登るの…」と思うくらい高低差ある。

一度青梅街道を横切り、砂防ダム的な設備を通り抜けるトンネルを登っていく。

砂防ダム?の上部には小さな集落があるんだけどすべて空き家になっているようだった。2件ほど比較的最近と思われる家もあったんだけど。青梅街道のすぐそばだしそこまで不便そうでもないんだけどな? なにか事情がありそう。

奥多摩むかし道で最高地点にある中山集落。まあ車があれば青梅街道からそんなに離れてるわけではありません。青梅街道沿いのバス停からも歩いて10分くらいだし、住むところとしてありだと思う。

この左側の下に続いてる道は先ほどの下の分岐から直接中山集落にアクセスするむかし道。多摩川沿いにあるむかし道は一度ここで大きく高度をあげる必要があったわけですね。

多摩川の下流方面を眺める。下に小さく見える白い建物はむかし道沿いにある奥多摩消防署の訓練施設です。今日は晴れの予報だったけど雲がずっとかかっていてなかなか晴れ間が見えなかった。まあ下手に晴れると日差しがつらくなるんですが。

中山集落から次の集落までは峠を超える山道です。といっても中山集落がほとんど峠の最上部にあたるのでだいたい下り。

下りきったところが分岐になっていて、このままむかし道で次の集落へ向かう道と青梅街道に降りる道に分かれている。青梅街道に出たところにはバス停があります。

分岐のすぐそばにある民家はまだまだ住めそうだったけど空き家になってるっぽい。ところでこういうところにある民家ってトイレどうなってるんでしょう? タンク設置しても収集できないよね。

ここは集落の名前がわからないのですが青目立不動尊のある集落に出ました。青目立不動尊は少し前まで休憩所として公開されていたようですが、現在は休止し非公開になっているようです。

この集落はなんといっても眼前に迫る奥多摩湖が大迫力。この迫力と、ダムができる前のずっと下にあったであろう奥多摩川の渓谷を想像しミックスするととても感慨深いものがあります。

ちなみにこの階段、一応通行可だと思うのですが草花の生え方が非常に美しい。手入れされていない階段の無造作と、自然の造作のコラボレーション。

むかし道の終点、水根集落に着きました。ここはちょっとした休憩所等があって、終着点らしいちょっと観光的な雰囲気が感じられる場所だった。(たぶん普通の意味での観光地ではない。あくまで奥多摩むかし道上で比較的観光地らしい、という意味)

水根沢キャンプ場というのがあったので、受付のおばちゃんにお願いして中を見せてもらいました。ここすごいです。かなりひっそりとしたキャンプ場で知らなかったら「え、ここにキャンプ場あるの?」という隠れ方をしていて、さらに直火OKだし沢が横を流れていてものすごく雰囲気がいい。さらにdocomoの電波はいらないというw 使う方は覚悟してください。でもいいなあ。完全オフラインのキャンプ、なんてなかなかできないですよ。「土日はだいたいやっている」というアバウトさもいい。

ここから先はむかし道ではなく奥多摩湖畔の道です。正面に見えるのは小河内郵便局。しかし駐車場になってるのかなってないのかわからないような狭いスペースで、非常に駐車しづらいし近くに大きな集落もなくどれだけ需要があるのか謎。

10分ほど歩いたところで熱海トンネル前の分岐に着くのですが、トンネル上にある原集落へアクセスするのに車道で回っていくのかなーと思ったら近道の歩道がありました。

原集落は倉戸山という山への登山口になっているそうだ。ただし倉戸山への登山道は利用者がかなり少なく荒れている、という注意書きがあった。人気のない低山は道が不明瞭で木で見通しも聞かず本当に遭難するので注意が必要。自分も奥秩父の人気ない登山道を使って何度か遭難しかけました。

原集落最上部から奥多摩湖を眺める。写真中央の山腹に見えているのが青目立不動尊のある集落。今は車道ですぐそこですが、車道がなかった頃は行くのに1〜2時間はかかる隣村だったんでしょうね。

これより先はかなり歩かないと次の階段にたどり着かないのでここまで。この階段の下にバス停があるのでそこからすぐバスに乗って奥多摩駅に戻る予定だったんですが、すぐそこに日帰り入浴をやっている温泉があるようなのでそこにはいっていくことにしました。

温泉自体は非常に気持ちよかったのですが、そこに入って17時のバスで奥多摩駅に戻り、18時過ぎのバスで東日原まで行って適当なところで野宿しようと思っていたのです。しかし奥多摩駅に着いて東日原行きのバスを待ってるときにふと気がついたのです。あれ?カメラがない。いやいやいや、温泉で着替えるときカメラは持ってた。その後ははっきりした記憶がない。バス降りるときは忘れ物ないか確認したから車内に忘れたわけではない。バス停に忘れたとかそういう可能性もありますがまずは温泉の受付に電話してみるとありました。よかったー。しかし温泉が19時までなので、次のバスで取りに戻ると19時ちょうどくらいになりそう。19時少しすぎるかもしれない、とお伝えし取りに戻ることにして、なんとか受け取ることができました。ふーやれやれ。

また奥多摩まで戻ってきたときには20時近くになっていて、東日原への終バスはとっくなくなっている。奥多摩周辺で野宿して次の日の早朝から東日原まで歩いてもいいんだけど、翌日10時に奥多摩駅集合の予定があるので5時過ぎに歩き始めたとして東日原の9時過ぎのバスに乗るのに4時間ほど。東日原までストレートに歩いて2時間以上かかると思われるので、ちょっと階段巡る時間的余裕が少ないと判断し今日のうちに東日原まで歩いておくことにした。昼間に15kmくらいアップダウンを歩いて、さらに雨が振り始めたなか、デスマーチをスタートさせました。

東日原までは想定通り2時間15分くらいで着いた。雨が降ってなければもうちょっと目立たないところを探して野宿しようかと思ったんだけど雨が意外に強かったので屋根のある東日原バス停で野宿しました。トイレがあるので少しそれの匂いがするのがアレでしたが… 寝る前にパトロールにきたパトカーにここで寝るの?と聞かれましたが、はいそうしますと答えると、風邪引かないようにねとだけ言われました。禁止だよと言われなくてよかった。翌日の東日原編に続きます。

この日のアルバム。
https://goo.gl/photos/eHGVKERKPKKVQg4o7