日本で最も広大な階段群は横浜〜横須賀の横横階段群ですが、圧倒的な密度という意味では長崎市も日本一の階段群と言っていいと思います。
長崎市はとにかくすべての住宅が斜面に建っているのでは?と思えるほど斜面だらけ。坂の街と呼ばれる街は全国に何箇所もありますが、群を抜いているといえます。
しかし長崎の階段を歩いているとひとつのことに気がつくと思います。それは「白線」の存在です。
長崎の階段はたいてい白線が引かれています。これは役所が行っているわけではなく、学校や自治体がボランティア活動として行っているようです。そしてかなり熱心に行われていて、すり減って見えなくなっている…というような階段はほとんどありません。どこも綺麗に書かれている。
この白線、人間の目にすごくキャッチーで歩いてるとものすごく目に入ってきます。階段の印象が白線に覆われていく。ある意味階段巡り殺しです。でも安全のためには仕方ありませんね。実際階段で滑って怪我をしたり、死亡事故になってしまう件数というのはかなり多いようです。この白線によって件数が減ったかどうかは定かではありませんが、夜でも目立つしある程度効果はあるのではないでしょうか。
あと手すりがこの白パイプなのも長崎の特徴です。白線と白パイプ、この二つが揃ってたらまず長崎と思って間違いない。
こちらは佐世保市ですが、白線と白パイプは同じですね。ただし自分の感覚では白線率が長崎市より低いように思います。佐世保の階段を巡っているときに地元の年配者にお話を伺ったのですが、あまりに階段=白線という感覚が強いので自宅の中の階段にも白線を引く方もいらっしゃるそうですw
長崎の階段の猫率はそこそこ。めちゃくちゃいるってわけでもないけど時折出会う。
しかしまだ長崎市の階段の1/3も巡ってないので、早くまた長崎に行きたいなー。
2016年10月10日月曜日
2016年9月8日木曜日
「耳をすませば」聖地聖蹟桜ヶ丘階段の謎。
ジブリの「耳をすませば」といえばカントリーロードのノスタルジックな訳詞と、青春の恋模様を描いた名作です。どちらかというと女性に人気が高いように思うけど、自分もとても好きです。スピンオフである「猫の恩返し」も面白いですね。
ジブリ作品はモデルとなった街がどこそこだと話題になることが多いものの、確実にそこをモデルにしている、という映画はあまりないです。「千と千尋の神隠し」の九份や「魔女の宅急便」のストックホルムが参考にしているとは言われますが公式ではありません。
しかし耳すまはジブリにしては珍しく聖蹟桜ヶ丘で確定しています。いや公式に声明が出ているのかどうかは知らないけど、駅や風景等の現実の街並みをそのまま映像にしているので違うと言いようがないです。さらに京王百貨店のKEIOの文字がそのまま出ていますからね。京王がスポンサーになっているわけでもないようですが。今流行の新海誠は現実の街並みを使うアニメ映画として有名ですが、ジブリの中ではちょっと異色だといえます。
また、ジブリの他の映画はSF、ファンタジーなのか現実世界なのかがはっきりしていますが、耳すまはどちらとも言い切れないという意味でも特殊です。90%くらいは現実世界に基づいてるけど、冒頭の猫のくだりを考えるとファンタジーの世界だとも言えるし、不思議というより曖昧な世界観ですね。
前置きが長くなりましたが何が言いたいかというと耳すまはジブリ作品の中でも人気上位に位置する作品で、かつ実際の街がモデルになっていて、しかもそれが聖蹟桜ヶ丘という都心から近い場所なのでいわゆる「聖地巡り」の格好の対象になっています。聖蹟桜ヶ丘の街もまちぐるみでそれをプッシュしています。
| 聖蹟桜ヶ丘駅前の地球屋を模したポスト |
| いろは坂と階段。ただし映画内の構図とは違う。 |
左に「天守の丘」という石柱があるのがわかりますね。そして遠景は京王百貨店を見下ろしています。ところが実際にはこの風景は存在しません。なぜならこの二つは別々の風景だからです。
これが実際にある「天守台(関戸城跡)」の碑です。階段の両脇は森になっていて、見晴らしはよくありません。
これが聖蹟桜ヶ丘駅と天守台の碑の位置関係です。聖蹟桜ヶ丘は北側にありますが、天守台の階段は南向きに下っているので南北が正反対です。
こちらがいろは坂の途中から北側を見た風景。映画と少し向きが違いますが京王百貨店が見えます。天守の丘のシーンはこの二つを合成しているわけです。
それだけなら「へー」で終わりなんですが、ここで非常に興味深い事実があります。インスタグラムの #聖蹟桜ヶ丘 のタグを見ると今でもかなりの人が耳すまの聖地巡りの写真をあげているのですが、まったく違う謎の階段が聖地としてアップされているのです。それが以下の階段です。
上の位置関係図からわかる通り、この階段は天守の丘の碑もないし駅との向きも違う、耳すまに一度も出てこないまったく関係ない階段です。ところが驚くべきことに耳すま聖地に行った人はかなりの高確率でこの階段を聖地として写真を撮り、他にいくつも写真を撮ったであろう中からここを一番の聖地として選択しているのです。なんなら、インスタの10万枚の #階段 タグのなかでもこの階段の数はかなり上位に入ってくるくらいの勢いです。
いったいなぜそんなことになるのか。いくつか理由はあると思いますが聖蹟桜ヶ丘駅から地球屋のモデルとなったロータリーがある場所までいろは坂を登って道沿いに歩いてくると、その間には高台から駅側を見渡す開いた場所ってないんですよ。そしてこの階段はロータリーの手前にあり必ず通ることになるので、ここで開けた風景を見て「あ、ここが雫が階段を駆け下りるシーンだ!」と勘違いしてしまうのではないでしょうか。
しかし実際、この階段の上から見渡す風景は素晴らしいです。耳すまを抜きにしても、多摩丘陵のたおやかな斜面と平穏な街並みに溶け込んだ階段に思わず頬ずりしたくなるほどです。これから聖蹟桜ヶ丘に聖地巡りに行く人がこの記事を読んで、聖地と間違えないようにしたうえで「この階段もいい風景だね」と思ってくれたらと思います。
| ロータリーにある洋菓子店にはバロンがいるよ |
2016年1月9日土曜日
階段ロゲイニング
階段ロゲイニングというスポーツをご存知だろうか。地図とコンパスを片手に野山を走り回ってチェックポイントを通過し早さを競うロゲイニングというスポーツがあるが、階オリは簡単に言えばそれの階段版である。
まず主催者が地図を用意し、地図には階段の位置がプロットされている。あとはこの階段を全て回ればいい。細かいルールやテクニックとしては以下のものがある。
階段は必ずしも上り下りする必要はないが、上からと下から撮った写真が必要である。長い階段は行きしに上からと撮り、戻り道で下から撮る、というテクニックを覚えよう。
(回り込むように移動することで中央の階段を登ることなく上からと下からの撮影に成功している)
次のチェックポイントまでの最短距離だけではなく、次の次、全体での距離を考える必要があり、地図から高低差を読み取っていく頭脳ゲームでもある。
また、地図上では道になっていたのに私道だったり工事などで通行できず、その場で変更を迫られることも多い。緻密な計画を立てていたとき一つの道が通れないだけで全体の経路を見直す必要があることもあり、計画の柔軟性も求められる。
もちろん街中の路上で行われるスポーツなので順位や時間にこだわらず安全重視で楽しむことが大切である。
※当記事は当初「階段オリエンテーリング」というタイトルでしたが回る順番が決まっていないことがオリエンテーリングではなくロゲイニングであることがわかったので記載を変更しました。関係者に陳謝しお詫び申し上げます。
2015年4月20日月曜日
2015-04-12 横浜 保土ヶ谷(北面) フィールドワーク
三崎巡りをした翌日に横浜の保土ヶ谷を巡ってきました。保土ヶ谷は3年前に訪れていますがこの一帯(というか横浜全体)は階段群が広すぎてとてもじゃないけど1日で巡れる範囲ではないのです。今回は前回と反対側で北西を中心に巡ってきました。
いきなり最初の階段でコレですよ!大興奮!ただし残念ながら工事中で立ち入り禁止でした。
同じ斜面にある別の階段。もうとにかく縦横無尽に階段が走っています。
ああこの階段もいいなあ…階段の数が多すぎるので超ざっくりと紹介します。興味があればぜひアルバムをご覧ください。
住宅街の裏手にひっそりとあったスリバチ。左側が崖になっています。
インカ文明のような雰囲気がありますw 右の階段は水が流れ落ちているのもまたそれっぽい。
桜はもう散りかけでした。桜の季節だったらもっと綺麗だったでしょうねー。
ただ桜が終わっていても他の草花が多かったのでそれを見るのも楽しかった。最近は、階段と花を撮るのが好きになりました。
これぞ横浜という圧倒的な密集感。
これから向かう先に階段が見えている。この瞬間が大好きです。歩いてきた階段を振り返る、見返り階段も大好きですけど。
本日の「ゼンリンさん@頑張りすぎ」階段。Google Mapsに日本の地図を提供しているのはゼンリンなんですが、たまにMapsを信頼して歩いているとこういう道にぶち当たります。この時期ならまだいいですけど、夏場になると蜘蛛の巣とやぶ蚊に襲われて大変なことになります。
初音ケ丘周辺。大きくスリバチになっていますね。目下のジェットコースター並みの階段はあまりに急であるため通行禁止になっています。
右のほうが今回歩いてきた斜面になります。毎度ながら、よくもまあこんなに歩いたなあと思います。
保土ヶ谷南面からみた北面。
この女優はこの近辺の出身である、ということを散策中に出会ったおじいさんに教えてもらいました。
3年前に歩いた斜面が見えてきました。断崖絶壁ぶりと、それでもへばりつくように建てられているマンション!
3年前に見つけて感激した、保土ヶ谷のスリバチ状階段群。
向かいの丘が城のように立ちはだかり、そこに階段が伸びています。圧倒的なスケール感で階段が迫り来る。
自分が初めて「廃段」という言葉を意識した階段です。ご健在でした。廃段だけど。
そして3年前保土ヶ谷を歩いた時のスタートの階段にたどり着いて、本日のゴールです。日本全国の階段を巡っているとなかなか同じ階段を歩くってのはできないんですが、今回はちょうど隣の地区を歩くようにしたので駅に戻る道で前回と同じ階段を通過することができました。再会っていいものですね。これから先、またこういう出会いがあるのかと思うと大変楽しみです。保土ヶ谷はまだまだ歩ききっていないのでまた何年かしたら行くでしょう。またその日まで!
https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/6137201207248524433
いきなり最初の階段でコレですよ!大興奮!ただし残念ながら工事中で立ち入り禁止でした。
同じ斜面にある別の階段。もうとにかく縦横無尽に階段が走っています。
ああこの階段もいいなあ…階段の数が多すぎるので超ざっくりと紹介します。興味があればぜひアルバムをご覧ください。
住宅街の裏手にひっそりとあったスリバチ。左側が崖になっています。
インカ文明のような雰囲気がありますw 右の階段は水が流れ落ちているのもまたそれっぽい。
桜はもう散りかけでした。桜の季節だったらもっと綺麗だったでしょうねー。
ただ桜が終わっていても他の草花が多かったのでそれを見るのも楽しかった。最近は、階段と花を撮るのが好きになりました。
これぞ横浜という圧倒的な密集感。
これから向かう先に階段が見えている。この瞬間が大好きです。歩いてきた階段を振り返る、見返り階段も大好きですけど。
本日の「ゼンリンさん@頑張りすぎ」階段。Google Mapsに日本の地図を提供しているのはゼンリンなんですが、たまにMapsを信頼して歩いているとこういう道にぶち当たります。この時期ならまだいいですけど、夏場になると蜘蛛の巣とやぶ蚊に襲われて大変なことになります。
初音ケ丘周辺。大きくスリバチになっていますね。目下のジェットコースター並みの階段はあまりに急であるため通行禁止になっています。
右のほうが今回歩いてきた斜面になります。毎度ながら、よくもまあこんなに歩いたなあと思います。
保土ヶ谷南面からみた北面。
この女優はこの近辺の出身である、ということを散策中に出会ったおじいさんに教えてもらいました。
3年前に歩いた斜面が見えてきました。断崖絶壁ぶりと、それでもへばりつくように建てられているマンション!
3年前に見つけて感激した、保土ヶ谷のスリバチ状階段群。
向かいの丘が城のように立ちはだかり、そこに階段が伸びています。圧倒的なスケール感で階段が迫り来る。
自分が初めて「廃段」という言葉を意識した階段です。ご健在でした。廃段だけど。
そして3年前保土ヶ谷を歩いた時のスタートの階段にたどり着いて、本日のゴールです。日本全国の階段を巡っているとなかなか同じ階段を歩くってのはできないんですが、今回はちょうど隣の地区を歩くようにしたので駅に戻る道で前回と同じ階段を通過することができました。再会っていいものですね。これから先、またこういう出会いがあるのかと思うと大変楽しみです。保土ヶ谷はまだまだ歩ききっていないのでまた何年かしたら行くでしょう。またその日まで!
https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/6137201207248524433
2015-04-11 三浦半島 三崎 フィールドワーク
横浜、横須賀の黄金階段ラインから南下した三浦半島の先にある三浦市、三崎の階段を巡ってきました。三浦半島の先には城ヶ島がありますが、城ヶ島に階段が多くないため今回は島階段はなしです。
交通手段は名古屋から夜行バスで5時前に横浜駅に到着しました。それから京急で三崎口駅までいき、バスに乗り換えます。三崎港に向かうバスは本数が多いのであまり時間を気にする必要はないかと思います。
現地の天気は霧雨模様。傘を差すほどじゃないけど差さないとカメラのレンズに水滴が付く…という微妙な降り具合です。昼過ぎまでそんな感じでした。
見事な「谷戸」ですね。郊外よりもっと住宅の数が少ないため地形がむき出しになっていて、谷やスリバチがとてもわかりやすい土地です。
階段の先に畑が広がっているというのはあまり他で見かけない光景です。特に階段が多いということは通常住宅が密集した結果であり、階段が多いわりにそんなに住宅があるわけでもない、というのは他の地域にない三浦独特の階段事情だと思います。この理由は今のところ不明です。
一面に広がるキャベツ畑。今本当に階段巡りの最中だったかわからなくなりそうな景色です。だいたい畑の横は谷になっていて高低差がはっきりしていることだけが階段が多い街であることを感じさせます。
ここなんかは自然の地形としてのスリバチでもなく、完成された住宅街のスリバチでもない、造成中で止まってしまったむき出しのスリバチです。
三浦半島は地質学的になかなか貴重な標本の多い場所だそうです。住宅と地層が一体化している場所も多かったです。
斜面にかなり無理やり作られた建売住宅。三浦ってそんなに土地がタイトでもないように思うのになぜこんなにギリギリの物件が必要になるのかよくわかりません。
左上から右下にかけて見事な断層が走っています。
やっと海が目前に見えてきた。向かいが城ヶ島です。
ここも見事に地層と階段が融合しています。
屁っこき坂。三崎はあまり名前のある坂はなかったですが、あったと思ったら屁っこき坂… ぬかるみで滑らないように力を入れて登っていると思わず放屁してしまう、ということから付いたのではないかということですが、現在ではそこまでの急斜面でもなく当時の様子はわかりません。
最後に国の天然記念物「諸磯の隆起海岸」を見てきました。地震によって隆起した証拠が何段にも残る貴重な資料だそうです。しかし現在はあまり顧みられていないのかかなり雑な扱いでしたw トラック横に停められてるし。
というわけで三崎は住宅密度が高くないのに階段が多いという不思議な街でした。もし住宅比で階段の数を見るという統計があったら三崎はかなり上位にくるかもしれません。
https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/6137194458647129457
交通手段は名古屋から夜行バスで5時前に横浜駅に到着しました。それから京急で三崎口駅までいき、バスに乗り換えます。三崎港に向かうバスは本数が多いのであまり時間を気にする必要はないかと思います。
現地の天気は霧雨模様。傘を差すほどじゃないけど差さないとカメラのレンズに水滴が付く…という微妙な降り具合です。昼過ぎまでそんな感じでした。
見事な「谷戸」ですね。郊外よりもっと住宅の数が少ないため地形がむき出しになっていて、谷やスリバチがとてもわかりやすい土地です。
階段の先に畑が広がっているというのはあまり他で見かけない光景です。特に階段が多いということは通常住宅が密集した結果であり、階段が多いわりにそんなに住宅があるわけでもない、というのは他の地域にない三浦独特の階段事情だと思います。この理由は今のところ不明です。
一面に広がるキャベツ畑。今本当に階段巡りの最中だったかわからなくなりそうな景色です。だいたい畑の横は谷になっていて高低差がはっきりしていることだけが階段が多い街であることを感じさせます。
ここなんかは自然の地形としてのスリバチでもなく、完成された住宅街のスリバチでもない、造成中で止まってしまったむき出しのスリバチです。
三浦半島は地質学的になかなか貴重な標本の多い場所だそうです。住宅と地層が一体化している場所も多かったです。
斜面にかなり無理やり作られた建売住宅。三浦ってそんなに土地がタイトでもないように思うのになぜこんなにギリギリの物件が必要になるのかよくわかりません。
左上から右下にかけて見事な断層が走っています。
やっと海が目前に見えてきた。向かいが城ヶ島です。
ここも見事に地層と階段が融合しています。
屁っこき坂。三崎はあまり名前のある坂はなかったですが、あったと思ったら屁っこき坂… ぬかるみで滑らないように力を入れて登っていると思わず放屁してしまう、ということから付いたのではないかということですが、現在ではそこまでの急斜面でもなく当時の様子はわかりません。
最後に国の天然記念物「諸磯の隆起海岸」を見てきました。地震によって隆起した証拠が何段にも残る貴重な資料だそうです。しかし現在はあまり顧みられていないのかかなり雑な扱いでしたw トラック横に停められてるし。
というわけで三崎は住宅密度が高くないのに階段が多いという不思議な街でした。もし住宅比で階段の数を見るという統計があったら三崎はかなり上位にくるかもしれません。
https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/6137194458647129457
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