Monday, January 20, 2014

蟻腰

階段を鑑賞対象として眺めたとき、細く長い路段が珍重される傾向にある。特に少ししなびていて侘びた風情のある路段は絶品だ。

しかしながら単純に細く長いだけでは芸がなく、そこに多少のアクセントが求められる。そこで伸びた階段の途中で少し曲がっている部分は蟻腰と呼ばれ、「蟻腰が入っている」と讃えられる。
東京 上高田

Thursday, January 16, 2014

スリバチ

スリバチという言葉をご存知だろうか。地形ファンなら耳にしたことがあるかもしれない。以下に定義を引用しよう。
われわれが「スリバチ」と呼ぶのは、台地に低地が谷状に切れ込み、三方向が斜面に囲まれたような形状の地形になっている場所のことです。 - 東京スリバチ学会 
このような形状のことであるわけだが、都市部においてはっきりとしたスリバチ地形であればそこにはたいてい階段があるのである。
東京 板橋
見返り階段も対岸に階段が見える地形が前提となっているので、スリバチ地形であれば見返り階段がある可能性も高くなる。しかし谷底に川が走っている場合スリバチではなくただの谷間であるのでスリバチではない。見返り階段があればスリバチであるとは言えないことには注意が必要だ。

横浜 保土ヶ谷
ちなみにスリバチ学会は頻繁にフィールドワークを行っているが、スリバチ学会がフィールドワークを行う場所と階段巡りフィールドワークを行う場所はかなり重なっている。これもスリバチと階段の関連性を示しているといえるだろう。

東京 落合

2013-01-13 板橋 練馬 フィールドワーク

1月13日は板橋にフィールドワークにいってきました。実は昨年9月に行ったんですが、歩き始めて早々にカメラの液晶がおかしくなっていて撮影できないという事態に陥りフィールドワークを諦めたのです。というわけで4ヶ月たってリベンジ。

歩き始めていくつめかの階段ですが、これが板橋の階段の典型といっていいかと思います。高低差が大きいのですが、住宅地としての開発がされていて幅が広く崩れは見られない。

材質もコンクリート製であり、どちらかというと平凡な階段に部類されます。しかし尾道の階段のような細く長く、古びた路段がわびていてその静寂さ故に見ている方にある程度の緊張感をもたらすとしたら、板橋の階段は鷹揚として構えているおおらかさを感じさせます。

また、板橋は近くの赤羽と同じくスリバチの宝庫でもありました。詳しくはまた今度書きますけど、スリバチとは3方向が斜面で囲まれた地形のことです。上の写真は手前の階段の他に、対面に3つ階段が見えています。

これは路地裏にある小さな階段ですが、板橋ではこのようなタイプの階段は少ないので侘びた路段が目当てなら他の地域にしたほうがいいでしょう。

この日は板橋では成人式を行っていたようで、振り袖を着た女性をちらほら見かけました。自宅前で記念撮影を行っている家庭も見かけました。



最後暗くなってから予定のコースにはなかったところに階段を見つけて撮ってきた公園。小さい公園ですが3方向が斜面になっており見事なスリバチでした。

歩いた距離はだいたい20kmほど、朝8時半スタートで17時半到着。ほとんど休憩なしだったのでなかなか疲れました。でもこれが夏だったら絶対こんなに歩けないし、階段巡りにとってはわりといいシーズンかもしれません。でもやっぱ寒かったし、春くらいが一番いいかなー。

ちなみに最後のほうでデジカメを落として、液晶に染みが入りましたw カメラは補償つけてあるんで直せるんですがなぜ板橋にいくとカメラが故障するのか…w

https://plus.google.com/u/0/photos/+MASATONull/albums/5968335574427019377

Wednesday, January 8, 2014

2014-01-02 尾道 フィールドワーク

山口県宇部市で年越しをしたあと、元旦は宇部線、山陽本線、呉線を通って尾道まで移動しました。最初は宇部を始発ででて昼前には尾道に到着して午後は散策を始めてる予定だったんですが、大晦日の門司フィールドワークでけっこう疲労していたしお酒も入ってるしで早起きして出発するのは不可能と判断しました。これはこれで正解だったと思います。おかげで体が回復したし、山陽本線だけでなく呉線にも乗ることができた。

広島県呉駅についたときにはもう日没だったんですが、乗り換えの時間に急いで海側までいって写真撮ってきました。向かいは江田島。

尾道ではフジホステルというゲストハウスを利用しました。相部屋で一泊2500円です。当日は自分を含めて4人の利用者がいました。管理人のかたによると、利用者の8割はしまなみ海道を輪行するためにきているとのことでした。

チェックインしたあとご飯を食べるために外に出ましたが元旦の尾道はほとんど開いてる店がない。それでも開いていた数少ないお好み焼き屋で食べて、海沿いを歩いていると船着場から船が出ているのが見えました。どうやら向かいの向島との間にある尾道水道を短い間隔で運行しているようです。料金も片道100円だしということで飛び乗ってみました。乗船時間は5分ほど。そして夜の向島にはなにもありませんw 夜景をみて、船が一往復して戻ってきたところでまた尾道に戻りました。ゲストハウスに戻ったあと他の利用者とお酒を飲みながら話して、日付が代わる前には就寝。

荷物を預けたまま6時半にゲストハウスを出発し、尾道駅前からフィールドワーク開始です。今回の旅は門司、下関、尾道と林芙美子の軌跡を辿る旅でもありますのでまずは林芙美子像を撮影。向かいに見えるのが千光寺山。主にこの千光寺山の周りにある階段を歩くことになります。

写真だとかなり暗く見えますが歩き始めて少ししたところで夜明け。初日の出ではないのが少し残念です。

あとはひたすら階段、階段、階段の連続…

尾道空き家再生プロジェクトというのもあるそうですが、けっこう廃屋となった空き家も多かったですね。門司では廃屋の建物は撤去して土台だけむき出しになっている場所がけっこうありましたけど、尾道では建物もそのままになっているようでした。

高いところからは尾道水道と、瀬戸内の島々が見渡せます。これがなんといっても尾道の階段の醍醐味でしょう。でも門司も関門海峡が見えたし、似た雰囲気も感じます。

最後は千光寺公園内の文学のこみちにある林芙美子の文学碑。余裕あると思っていたらこの碑がなかなか見つけられず、電車の時間があるので朝から8時間以上歩いてるのに最後に山道を走り回って探す羽目になってさすがに死ぬかと思いましたw ずいぶん高いですが、この山を1日で4〜5回くらい登り降りしているわけです。我ながらようやる。

おかげで時間的にも距離的にも最長の階段巡りとなりました。アルバムには600枚ほど写真がアップロードされています。全部みてもらうことはないですが、一覧をみるだけでも尾道の階段のすごさがわかるのではないかと思いますのでぜひ一度見てみてください。
https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/5965672492556841681

さーて次はどこの階段に行こうかなー?

Tuesday, January 7, 2014

2013-12-31 門司 フィールドワーク

2013年大晦日は宇部を出発し電車で関門海峡を渡って門司へいき、門司から門司港まで歩いてきました。門司に着いたのが朝8時で、ミスドでコーヒーを飲んで8時半にスタートして門司港に着いたのが15時過ぎなので6時間半くらい歩いてた計算ですね。15分くらいご飯休憩がありますが。登山だと6時間歩くのってけっこうしんどいですが、階段巡りはあまり大きな荷物を持つ必要がないので疲れますけど立ち上がれなくなるほどではありません。

崖線がありますね。最初地図で門司の階段をプロットしたときわりと一列に並ぶので崖線があるかなーと思いました。国分寺崖線だとあまり大きな階段がないことが特徴なので、ここももしかしたらそうかもしれないと思っていたのですがそれは杞憂に終わりました。

 丘の上から下まで一直線に続く階段が多い!そして場所によっては関門海峡の向こうに下関もよく見えて気持ちよかったです。

川の護岸はされてますが川底はわりと自然のままで岩盤が見えています。鮎も遡上するとか。

自分はなんとなく階段で郵便配達してるの見るのが好きなんですよねー。配達してるほうは必死でしょうけどw おつかれさまです。

門司は門司港レトロという懐古趣味的なイメージで観光化してるようなんですが、そうじゃなくても山の上には古くからある建物が廃棄され朽ちていくレンガ造りの壁がいっぱいありました。

門司港駅近くの鹿児島本線沿いの集落も廃屋だけになっていた。観光的な意味では整理したほうがいいのかもしれません。自分としてはなんとも言えない空気で好きなんですけど。

門司区役所の真裏もこんな感じで道がけっこう崩壊していましたw

写真は500枚くらいあります。我ながら歩きすぎかもしれません。
https://plus.google.com/u/0/photos/+MASATONull/albums/5965661858428211409

門司港に着いたあとは旧三井港倶楽部を見て、ご飯を食べてから歩いて関門トンネル人道まで行きそのままトンネルを歩いて下関まで渡りました。そこからバスで下関駅まで移動してフィールドワーク終了。ずいぶん歩いたように思いますが地図で見るとほんのちょっとなんですよね。徒歩はやっぱり遅いなあ。

2013-12-29 祝島フィールドワーク

年末年始は中国地方を散策してきました。かなり多くの階段を巡り、写真も大量に撮ったため整理に時間がかかりそうです。今日は祝島のぶんを更新。

2013年12月29日は友人と山口県の祝島に行ってきました。祝島は港から1時間弱で着く島で、フェリーは多分1日3往復しています。時折強く雪が舞うことがありましたがそのまま積もることはなく、帰り道では夕焼けも見えるような天候でした。

ちなみに友人は離島の床屋で散髪してもらうのを趣味にしているのでそれに付き合って島に行った形です。人のこと言えませんが変わった趣味ですね。


島に階段巡りにいくことが初めての経験ですが、島のいいところはやっぱり海を見下ろす階段ですよね。


これは小学校前の階段。龍が走り、そこを土が流れたのか黄土色の筋がついていて美しい龍になっています。



途中階段だけでなく棚田を見に行ったんですがそれもなかなか度肝を抜かれる景色でした。初・島フィールドワークでしたが島にハマってしまいそうです。

https://plus.google.com/u/0/photos/117067248880908303542/albums/5965652079494239409

いつもどおりGoogle+のアルバムで公開しています。しかしこの祝島はあまり前もって計画したわけではないのでいつもと違って網羅的ではないです。おそらく半分くらいしか見てないのではないでしょうか。しかしそもそもGoogle Mapsの詳細な地図がない地域なので難しいのです。