2025年1月29日水曜日

2024-10-14 ネパール・エベレストトレッキング2日目 パクディン〜ナムチェバザール エベレストとゴミ箱

6:30朝食。簡単なエッグトーストとコーヒー。ネパールはあまりコーヒー文化ではないのでコーヒーはほとんどの場合インスタントコーヒー。ていうか事前に読んだいくつかのブログではお茶のことばかりでコーヒーの言及がなかったからコーヒーはないのかなと思って大量にインスタントコーヒーを持ってきたのに。エベレスト街道は燃料が貴重品で、火はヤクの糞を乾燥させたものを燃料にしている。そのためお湯自体がけっこう高い。結果お湯を頼んでもコーヒーを頼んでもたいして料金が変わらないため持っていったインスタントコーヒーの出番が少なかった。たまに彼女とお湯をはんぶんこしてコーヒーとスティックティーを飲んでいたくらい。

※しかしお湯だけを頼むと少し多めにくれることが多い


ロッジで売っている飲料。食事のメニューもだけどネパールという国は選択肢を増やそうとしない傾向が強い。そのため、飲料はどこにいってもこのレパートリーだ。これは山だからというわけではなく、カトマンドゥの商店でもこれと同じ揃え。値段はもちろん山のほうが断然高い。コーラはちょっと味が薄いと思う。でもなんかエベレスト街道ではペットボトルや缶ジュースを一度も買わなかったな。
※ネパールは最近までマオイストと呼ばれる共産主義勢力が強かった。それも関係あるだろうか

1日目ロッジの明細。部屋と食事で合わせて二人で3450ルピー。このときのレートで1ルピー1.1円くらいだったから、3800円くらい。エベレスト街道とはいえこの辺りはまだ物価が安い。だいたいのロッジで泊まるというとこの宿帳に注文したものを書いていってチェックアウト時に精算する。ただネパールの識字率は高くないので宿の人も文字が得意ではない場合があり、自分で書くパターンもちょいちょいある。


宿を出ると目の前に確実に標高4000mを超えてるだろう山が見える。昨日は歩いているとき曇っていて上はよく見えなかったのだ。エベレスト地域では午前中天気が良くて午後は曇っていくのが基本的なパターン。

パクディンの集落。パクディンは大きい方だがこんな感じの集落が30分〜1時間歩くごとにある。どの集落にもロッジが数軒はある。商店はもっとある。

子供向けのおもちゃを売ってる商店もちょいちょい見かけるのだが、地元客が買うのかどうかはよくわからない。

集落の横が崖で大きくえぐられている。ちゃんとした補強がされるわけでもないし、そのうち建物ごと落っこちてしまいそうだ。実際9月の洪水の影響で道が通れなくなって迂回路になってる部分もいくつかあった。

ベンカーあたりから本格的にヒマラヤが目の前に見えてきた。これまでは上高地より少しすごいって程度だったけどこれはもう上高地では太刀打ちできない。もう8000m峰か?と思ってPeakFinderでみるとまだ5〜6000mくらいでびびる。これよりまだ2000m高い山に人類が登るとかおかしいやろ。

街道そのものより横に伸びる階段がものすごく良かったりして本当は登りたいけど、登ろうとしたら多分地元の人にそっちは違う!と言われそうなので我慢している。

ロッジ・ハタゴ跡

エベレスト・トレッキングのすすめ③ ルクラからナムチェへ - 日本人の残した小さな宝物 で「LODGE HATAGO」の跡地として紹介されている場所。大沢茂男という人の書いた「ヒマラヤで泳ぐ」というマイナーな本があるのだけど、その本の中で著者とLODGE HATAGOの主人の会話が書かれている。そして、大沢茂男は本のラストでヒマラヤに桜を植えたいと語っている。また、 遅れて知った訃報 では大沢茂男が桜の苗を持っていっていたと書かれている。このことから推測すると、チュモアのこの桜を植えたのは大沢茂男だと考えてほぼ間違いないだろう。

チュモア近くの美しい石段。

ジョサレの関門

1日目に書いたようにエベレストトレッキングをするためにはトレックカードと許可証の2枚が必要になる。縦割りな話だがトレックカードは環境省みたいなとこの管轄で許可証は軍の管轄。検問は別々にあるのだがジョサレではどちらも確認されるし、なければここで交付を受ける。それぞれ1枚3000ルピーで二人分なので12000ルピー。このことを計算に入れてなくて予想外にお金が目減りした。トレックカードはみんなルクラのところで入手してるのか並びがほとんどなかったけど、許可証の方は並びができていた。そして並んでいるのはほとんどガイド。ガイドが客のパスポートを出して全員のを申請しているのだろう。とても強引に割り込んでこようとするのでこちらも負けじと押し返して横入りをブロックする。自分の一つ手前で窓口を閉められ、どうやら昼休憩っぽくてまさか1時間くらい待たなきゃならんのかなと不安になっていたら前の人が15分で戻ってくるよと教えてくれた。ありがとうガイド。無事許可証とトレックカードを入手し、関門で見せて通してもらう。軍人に"ザパニーズ? コンニチワ〜"と言われる。

日本人と日本語

歩いててあまり他に日本人らしき人は見かけない。どうかな?と思うとたいてい中国人だ(なお服装荷物をぱっとみてどこかにmont-bellがあったら多分日本人だ)。また、日本人はほとんどツアーなので一人二人の日本人はとても少ない。しかしその割に歩いてると俺らは瞬時にガイドやポーターに日本人判定され「コンニチワ」「アリガトウ」と声をかけられる。

この日降りてくる国際ツアーの中に一人だけ日本人の女性がいて、彼女がありがとう〜と言いながら道を降りてきた。初めての日本人だったのでおっと思ったが狭い道だし向こうはツアーなのであまり話ができなかったのが残念。


がけ崩れで道がなくなっていて急ぎで作られた迂回路を登る。

ゴミ箱

日本の登山と違うことの一つは、ルート上によくゴミ箱が設置されていることだ。けっこうな頻度で、かなり標高高いところまである。ただし上に行けば行くほど本当にゴミが回収されているのかは怪しくなっている。
エベレスト登山に限らずトレッキングルートでもゴミは大きな問題の一つ。ネパールは美しい国だがまだ発展途上であり、物資の流入ペースがゴミに対する施設、考えのアップデートを上回ってしまっている。そのためポイ捨てが非常に多い。俺らはルート上のゴミ箱を使わなかったが、ロッジでゴミを捨ててもそのゴミが適切に処理されているとも言い難い。そういう問題を考えると入場料をもっと高くしてごみ問題に取り組んでもらいたいという気持ちになる。でもお金だけじゃなく、みんなの意識を変えていく必要もあるから時間かかるよね。

ジョサレから下ってしばらく歩くとずっと高いところにかかっている吊橋がみえてくる。エベレストトレッキングのアイコニックな場所の一つ、ヒラリー橋だ。しかし見ての通り、登らなくてはならない。というか今日の目的地ナムチェバザールはあの山の向こうだ(絶望)
このあたりが標高2900mで、ナムチェバザールは3400m。つまり今からまだ500mも登らなくてはならない。登山経験がなかったら標高3000m超えたところでこの登りはかなりしんどいだろう。人によってはナムチェバザールをゴールにしてるようだ。トレッキングは登山より難しくはないと思うが、単純に楽なわけではない。
ヒラリーブリッジを渡る後ろ姿。我ながら荷物がでかい。

ヒラリーブリッジからたっぷり3時間かけてナムチェバザールに到着。標準タイムならヒラリーブリッジからナムチェまで2時間なのでうちらはかなりゆっくりペースだ。しかし重い荷物で歩いてるんだから仕方ないと思う。

ナムチェは思っていた以上に大きな街だ。ストリートビューの写真が10年前なのだが、その頃と比較してもずっと宿が増えている。少し歩いたところでロッジあるよと声をかけられ、即決しそうになったけど俺らは小さいロッジを探してるんだというと彼のところは大きなホテルのようなのでパスすることに。しかし思った以上に長く歩き登って大変疲れているので早めにロッジを決めなくては(彼女の機嫌がちょっと悪くなっている)。街角でお土産を売っているおばあさんに宿がないか聞いてみたら、この階段の上にゲストハウスがあると教えてくれたのでそこにいってみて、良さげだったので投宿。

ナムチェを歩いてみた感じ、ナムチェの宿はきれいでおしゃれなところがほとんどだった。その中でこのゲストハウスは素朴さが強いほうだと思うので自分としては少しだけ粘って探してよかったな。なおナムチェは上流に水力発電所があり、電気がきているので充電が無料だった。


晩ご飯はネパールの代表料理のひとつ、モモ。ほぼ水餃子。もちもちして美味しい。

ナムチェは夜も賑やか

2025年1月28日火曜日

2024-10-13 ネパール・エベレストトレッキング1日目 カトマンドゥ〜ルクラ〜パクディン 宿や水の事情

ルクラへのフライト

2024年前後においてネパールの空の窓口であるトリブバン国際空港は非常に混雑していて、国の方針としては地方路線はなるべく近郊の空港を使わせたいという思惑があるようでネットで調べるとカトマンドゥからバスで数時間走ったところにあるラムチャップ空港からの便を使うという案内が出てくる。そのためには夜中の1時くらいに乗るバスを予約して早朝にラムチャップ空港について飛行機に乗る(飛ばなかったらドンマイ)ということをする必要がある。俺らも当初はそのバスを予約していたのだが、2024年は9月中旬モンスーンの終わり寸前になってネパールは大洪水に見舞われラムチャップ空港まで向かう道路が寸断され、ラムチャップ空港が使えないという事態になってしまった。

ルクラまで飛行機で行かない場合は途中までバスやジープで移動する手段もあるのだが、それをするとルクラまで数日歩く必要が発生し日数的に避けたい。それで調べているととあるネパールのトレッキングを取り扱ってるツーリストサービスがこの辺のことを頻繁に情報を更新してくれていた。それによると最初はトリブバン国際空港から南のジャナクプル空港に向かい、そこで乗り換えてルクラ空港に向かうという迂回経路が示されていた。時間はかかるが仕方ないかと思いつつ、そのサイトで書かれていたWhatsAppの番号にチャットで連絡を取り聞いてみるとなんとトリブバン国際空港からルクラへ直接飛ぶ飛行機が予約できるよと言うではないか。もうこの辺から情報が錯綜しすぎて何がなんだかわからなくなってきてるのだが、最終的にトリブバン国際空港からルクラへのシートを一週間前に予約しておいた。

(ネパールはかなりWhatsApp文化なので、行く前にWhatsApp入れてアカウント作っておくと何かと便利だ。現地の人とやり取りするのにかなり役立った)

※2026年現在、ルクラの近くにあるスルケまでジープでアクセスできることが確認できている。正直バスに乗ってラメチャップ経由で高い航空券買ってルクラ行くより、スルケまでバスとジープでいったほうが賢いという気はする。

で、この予約は座席数の予約であって便の予約ではない。なので何時に空港に行けばいいのかわからずやきもきしていたのだがフライト前日の昼になって航空券のPDFを送ってきて、フライトの1時間前に空港に来いということだった。フライトは8時なので最低7時、不慣れな土地ということもあって6時半にはついていようということで6時にホテルを出発。こんな時間なのにホテルのカウンターにはちゃんと受付が(寝て)いたのでチップを少し渡してチェックアウト。チップはいつも100〜200ルピーくらい渡していた。

空港前の24時間やってるカフェで朝食。ライ麦のサンドイッチ?観光価格でそんな安い訳では無いが仕方ない。これが現地で食べる最初の食事だな。思ったより出てくるのに時間がかかったのでコーヒーはテイクアウトにしてもらった。

国内線カウンターに7時頃到着。航空券を見せるが、受付開始したら案内板をかけるからそれまで待て、とのこと。ここからひたすら待つ。航空券に書いてあった8時を過ぎても動きはない。しかし同じ便の搭乗客と話をしてみんな待ってるので自分たちが置いてけぼりを食ってるわけではないという謎の安心感はある。

10時頃やっと受付が始まって荷物を計測。預け荷物が10kg、手荷物が5kgまで無料だったかな?うまく分割して、あと服のポケットに突っ込んだりしてぎりぎり15kgに収めることができた。しかし搭乗ロビーでも1時間待たされて、本当に今日乗れるのかと不安になるが11時前にバスに案内されやっと乗れるぅ!とみんな笑顔に。


俺達が乗った飛行機の座席図。山を見るためなるべく左に座りたかったが取られてしまい右に座った。

通路を挟んで窓の向こうに見えるヒマラヤ。山座同定はできず。

PeakFinder

山座同定には他のブログで紹介されていたPeakFinderというアプリを購入していった。エベレスト周辺をダウンロードしておいたのだがなぜか途中でデータが消えて、データを再ダウンロードするためにWi-Fiを購入する必要があった。↓こんな感じでデータと実際の風景を重ね合わせて同定できる機能があるのでわかりやすい。

ルクラ

予定より3時間遅くなったが12時に無事ルクラ到着。でもまあ飛べば御の字と思っていたのでありがたや。荷物を受け取り街を歩きながら水の消毒剤(アクアタブレット)と帽子と地図を購入。アクアタブレットは安かった。しかし帽子が800ルピーくらいでけっこう高かったな。少し値切ってみるべきだったか。

ルクラは標高が3000m近いので高度順応のために少し休んでから出発することが推奨されている。といってもルクラから先はしばらく下る一方なので、正直そんなに気にしなくてもいい気もするが… まあご飯は食べたいのでローカルっぽいレストランに入ってみる。観光客ウケはあまりしない感じ。よくわからないが(ベジ)トゥクパというヌードルを頼んでみたところうどん的なものが出てきた。というかうどん。トゥクパはめちゃくちゃ美味しいってわけではないがとても食べやすい(そして安い)ので食欲がないときにはとても重宝した。
カレー風味になってるのはネパールあるある

高山病対策

昔は高山病対策にダイアモックスを飲むというのは裏技的であまり推奨されていなかったように思うが今は日本でも普通に処方されるようだ。俺は3000mの山には登れるけど2500mを超えると呼吸が苦しくなってきてあまり高地に強くないのは自覚しているのでダイアモックスを飲むことにした。現地の薬局でも買えるらしいけどよくわからないので日本のオンライン診療で処方してくれる病院に診てもらって、20日分くらい出してもらった。確か7000円くらい。現地だと多分1000ルピーしないだろうが。そしてダイアモックスを高地にいく前日から1日2回半分ずつ3日間ほど飲んだら予防は終了で、あとは適時症状が出たら飲むという形。俺達は結局高山病っぽいなと思ったり、標高高いところ行く前に飲んでたら20日分全部飲みきって帰ってきた。でもそのおかげでひどい高山病にはならなかった。

※2025年のトレッキングではカトマンズの薬局でZolamite 2週間分を300ルピーで購入。

パクディンへ出発

お昼を食べて13時頃本格的に出発。ルクラから出発した当日はだいたいパクディンまで行く人が多い。飛行機が早く着いていればもっと先のチュモアまで行けるかと思っていたが13時出発なので俺らもパクディンを目指すことにした。

ルクラの街を出たところで何か人が並んでチケットがどうこうって書いてある場所があった。俺はよくわかってなかったのだがエベレストトレッキングをするためには国立公園への入場料3000ルピーと、許可証3000ルピーの支払いが必要なのだ(それくらい調べとけって話だが)。ここでは入場料の方を払ってトレッキングカードを受け取ることができる…のだが俺はよくわからずスルーしてしまった。といっても翌日ジョサレというところに関門があって、そこでどちらも入手できるので大丈夫。ただこっちのほうがスムーズに受付してくれそうだったので、時間あるならこっちでもらっといたほうがいいかも。

※2025年のときここでトレッキングカードもらおうとしたらジョサレ行けと言われてしまった

ルート上によくあるマニ石は左側を通るのが一応正しい歩き方。マニ石だけでなく奥に見えてる柱とかもガイドやポーターは左を通っていく。俺らもなるべくそうしていたものの、疲労してくると左側に遠回りする気力がないことも。。。

アップルガーデン

暫く行くとアップルガーデンロッジというロッジがあった。この近くにりんご園があるそうだ。このりんご園、実は日本のNGOが関与しているようなのだが、その起源に俺の探している人の影響があるのではないか…と思っている。ちょっと話を聞いてみたかったがタイミングが合わずそのまま通過。

ポーター

トレッキングルートを歩くのはトレッカーだけでなく、それと同じくらいの数じゃないかと思うくらい荷物を運ぶポーターがいる。トレッカーもほとんどの人はガイドやポーターを雇っていて、俺らのようにガイドもポーターもなしというのはざっと見て数%くらいじゃないだろうか。ポーターを雇えば当然荷物を持ってもらえるので楽だし、あとから聞いたところによると重い荷物を背負ってると血行が悪くなり高山病になりやすいらしい。ポーターを雇ってる人のほうが高山病ならないってのは意外なあるあるだとか。ガイドも宿の交渉などをやってくれるので困ったときには安心な存在だろう。なおルクラ〜ナムチェバザールくらいはいっぱい人がいるので雇わずにいってやっぱいたほうがいいなと思ったらその場で雇うってのも全然できると思う。俺達は最後までポーターもガイドもなしだったけど運が良かったという側面も否定できない。

※特に峠越えを考えてる人は、峠越えの間だけポーターを雇えば費用をかなり抑えられるし成功率もぐっとあがるだろう。ただツーリスト会社を通さない直での雇用は安くなるが代わりに仕事が適当だったりする可能性があるので交渉には注意がいる。

パクディン到着

少しくらくなりかけたところでパクディンに到着。宿は予約するものではないので飛び込みで聞いていくわけだが、最初に扉を開けたところがかなりおしゃれっぽかったのでやめておいて、その隣のロッジで聞いてみたらOKだった。というかこのあとも部屋がないと言われたことは一度もなかった。10月中旬は一番のハイシーズンのはずだが。

ロッジとレストランとティーハウス

ネパールのトレッキングにおけるロッジの料金はちょっと特殊で、部屋代はどこでもだいたい500ルピーくらいとかなり安い。さらに交渉次第ではただにできたりするようだ(俺らは部屋代は交渉しなかったのでいつも払ってた)。しかし代わりにロッジは必ずレストランが一緒になっていて夕食と朝食はそこで取るというのがルールになっている。ようは食事代で部屋代を賄うというシステムだ。ロッジによってはうちで食事しないときは〇〇ルピー払ってねとメニューに書いてあったりする。ところがこれがだいたい安い食事より高いペナルティーなのだ。だったら安い食事頼んで食べなければいいってことになるのでは…。ネパールにはこういう不可解なシステムが多い。

なのでロッジの食事の料金は実質部屋代込みなので少し高い。集落にはたまにティーハウスという一般向けの宿泊はやってない食事処があって、そこで食べると宿代がない分安い。といっても夜と朝はロッジで食べるからティーハウスを使えるのは実際にはランチのみだが。

あと夕食後に朝食の注文をする形になっている(飲み物はいつ頼んでもOK)。しかし朝食は7時頃からというロッジが多い。無理に頼んでも6時くらいだったり。日本の登山に慣れていると7時朝食というのは遅くてやきもきするが、ここらへんがトレッキングと登山の違いとも言える。しかも出てくる順番によってはさらに遅くなり、朝食食べたら8時過ぎ、ということもある。ただエベレストトレッキングはだいたい一日4時間くらい、長くて6時間というのが安全な行動時間。だから朝が多少遅くても慌てることはない。

※どうしても早朝出発したいときランチボックスを頼んだりできることもあるようだ。この辺の交渉を任せられるのもガイドの利点だろう。

部屋に案内され初めてのロッジ投宿。布団がなかったので、布団は別料金なのかなーと思って自分たちの寝袋を使って寝たのだがこのあと2週間一度も布団がない部屋はなくて、ここは布団出すの忘れてたんだなと気がついた(笑)

入りたかったわけではないけどシャワーいくら?と聞いたら冷水なら無料だよと言われ冷水シャワー浴びてみたら死ぬほど寒くなったのでおすすめしない。トイレはここは洋式かつ水洗だけどたいていの場所は柄杓で自分で水を流す方式。トイレットペーパーはゴミ箱に入れる、日本の山小屋と同じシステムだ。というかネパールの現地の人はトイレットペーパーを使わないらしい。なのでトイレットペーパーを使うのはトレッキング客のみで、現地で買うと高い。

晩ごはんはピザとホットミルク。葉野菜はサービスしてくれた。ネパールの食事はどこも美味しい。まずいと思ったことは一度もなかったな。ただしメニューがどのロッジ、レストランもほとんど一緒で代わり映えはしない。
ネパールの人は食事を提供したあとどうだ?と聞くのが好きなようだ。だいたいみんな英語でやり取りするのでグッド!といえばいいのだが、このやり取りを想定してグーグル翻訳で調べてあった「ラムロスヴァ!」と言ったらとてもウケた。※「ミトチャ」のほうが一般的で伝わりやすい

水事情

ネパールの都市部は水事情があまりよろしくないので基本的にペットボトルの水を飲むことが推奨されている。山間部でも水がきれいに見えても日本のように保健所が水質検査をしているわけではないからロッジで(基本無料で)提供される水をそのまま飲むのは避けたほうがいい。そこで方策としてはあるのは5つくらいだろうか。※2026/08/24 「お湯を買う」を追記
  1. ペットボトルを買う。ロッジに限らずトレッキングコースには小さな商店が点在していてそこで飲料やちょっとしたお菓子を買うことができる。しかしもちろんポーターが運んでいるため重さのある飲料は高めで、高地に行けば行くほど高くなっていく。1本100〜500ルピーでそれを毎日買ってたらなかなかの費用となる。富裕層向けと言える
  2. 消毒剤(アクアタブレット)を使う。俺達の使った方法。商店で20個入り数百ルピーでアクアタブレットという錠剤を買える。一粒で1リットルに使える。溶けたあと飲んでみると僅かに消毒の匂いがするがほとんど気にならないし、十分美味しかった。最後までお腹を壊すことはなかった。
  3. 浄化器を使う。浄化器を使っている人たちもちょいちょい見かけた(ヨーロッパ系に多い?)。浄化するのに時間がかかるため少し面倒かもしれない。
  4. 煮沸する。 これは途中で気がついたのだが、飛行機にガス缶は持ち込めなくてもバーナーは持ってこれるので、バーナーだけ持ってきてルクラとかナムチェでガス缶を買って自分たちで水を沸かしたらかなりお茶代の節約になるかもしれない。ただ飲用の水をいちいち煮沸するのはやっぱ面倒だと思う。
  5. お湯を買う。お湯を買ってナルゲンボトルに入れてもらっても良い。夜買うとナルゲンボトルを湯たんぽとして使え、翌日はそのまま飲料水にできる。お湯を買ってもお茶を買ってもあまり値段変わらないので俺らはお茶を買って砂糖とともに水筒に入れていたが、湯たんぽとして使えるというのは大きなメリットだろう。
  6. そのまま飲む。推奨はしないが、ヒマラヤに入れば日本の山と変わることのないただの沢水だ。もちろん動物の影響、土ぼこりなどもあるのも日本と同じ。それを信じてロッジで提供される水を飲むというのも考え方として否定はしない。
ロッジの横にあった商店。写真見て今さら気がついたけど凧が忍者ハットリくんだ。ピアスしてくるのを忘れたのでここで数百ルピーのピアスを購入。めっちゃ青サビが出て、日本帰ってからもしばらく色が落ちず会社で耳にタトゥーしたと思われた。

2025年1月27日月曜日

2024-10-12 ネパール・エベレストトレッキング0日目 成田〜カトマンドゥ 初の海外へ

前文

彼女に誘われ2024年10月にネパールへエベレストトレッキングに行ってきたのでその記録を書いていこうと思う。ただし現在俺は文章らしい文章を書く気力に乏しいので単調な事実の記載、日記になっている面が多いかもしれない。それでも2025年以後のエベレストトレッキングを考える人の参考にはなるかもしれないので書いていく。(ネパールの状況は年単位でどんどん変化していっている。この記録の賞味期限も数年だろう)

まず前提として俺はこのネパール旅行が初の海外旅行である。そのため海外旅行における常識的な情報もやや冗長的に珍しいことかのように書く部分もある。

トレッキングに必要な情報はまとまっていたほうが便利だと思うが、自分の書きやすさを優先し一日ごとの行程記録に豆知識が挟まるような形になっている。情報を求めている人には申し訳ない。聞きたいことがあればTwitterなどで質問、DMくれたら返します。


コース

トレッキングのコースはルクラをスタート、ナムチェバザール経由でエベレストベースキャンプ(EBC)まで、ロブチェからチョラパスを越えてゴーキョに行き、ゴーキョからナムチェバザール経由でルクラに戻るという1峠越えコース。ルクラからEBCまでの往復する人にも参考になると思う。

チョラパスについてはオプションのようなもので、自分たちの体力、状況を鑑みて無理そうならやめておこうと思っていたが最終的にはいくことができた。
YAMAPで記録したコース。YAMAPはルクラ~EBCまでのエベレスト街道は地図があるし、地図が対応してないところ(左上のゴーキョ周辺)も記録を取ることは可能。なお俺はYAMAPを毎日登山を終了させるのではなく、一時停止して翌朝再開する形で記録した。(ルクラスタートだが初日は忘れてたのでパクディンがスタート地点になっている)

パスポート

パスポートも持っていなかったので9月頃取得。ぎりぎりすぎたかもしれない。本籍地を彼女の実家である秋田に移してたので夏に帰省して戸籍謄本を取ってこなくてはならなかった。今はマイナンバーでなんとかできるのか?

ビザ

ネパールはオンラインでビザの申請ができるが、申請したらその情報を印刷して現金書留で大使館に送る必要がある。大変にめんどくさい。2人分だが家族なので一緒にレターパック同封で封筒を現金書留扱いで送ったらちゃんと2人分のビザが送られてきた。よかった。しかしネパール大使館のサイトの情報はかなりあやふやでわかりにくい。アップロードした写真はまあまあ適当なものだが問題なかった。ネパールでの滞在住所は適当にカトマンズで泊まる予定のホテルを入れておいた。

なおネパール到着後空港でビザを申請することもできる(少々割高)なのでこのへんはどうとでもなりそう。

ネパールへの飛行機

俺は海外旅行初めてで飛行機のこともよくわからなかったので往復の航空券は彼女に一任。乗換便はいいのがなかったということで成田からカトマンドゥへの直行便(Nepal Airlines)に乗ることになった。日本時間10:30発でほぼ遅延なしで離陸。フライトは8時間半ほどで到着の現地時間は17時ごろ。

なおネパールと日本の時差は3時間15分。最初驚いたがネパールは国として唯一15分単位で標準時からずれているのだ。しかしG-SHOCKの時間合わせるとき動かしてると一つだけ出てくる15分ズレの設定がネパールなのでわかりやすかった。

Nepal Airlinesの機内食はかなりしっかりしていた。手前の丸いものはみかんではなくスポンジケーキみたいなお菓子。奥側がチョコケーキなのでお菓子が2つもある。

中国大陸に入ったあたりからネパール上空までずっと下は雲だった。カトマンドゥ上空でおそらくトリブバン国際空港が混雑していて一度カトマンドゥ盆地を一周し、そのときにけっこうヒマラヤ(ヒマラヤとは万年雪に覆われた山を指す言葉らしい)が見えてテンションがあがる。

入国審査は2列に分けられ、最初はよくわからなかったけど男女で分けてるっぽい。しかし最初はちゃんと男女だったのが最後あたりはぐだぐだになっていた。検査官が椅子に足を乗せていたりやる気の無さが異国を感じさせる。そしてビザとパスポートだして一言二言挨拶したらあっさり完了。

キャッシング

荷物を受け取ったらまずは空港のATMで両替(キャッシング)。銀行の両替や、街の両替商のほうが少し安いだろうけど調べた限りそんなに大きく変わらないし手軽さを考えたらキャッシングで良いと判断。しかし1台目のATMはボタンが反応せず、2台目にいたってはWindows画面になっている。Oh...いきなりネパールの洗礼。
3台目でやっとキャッシングできた。1回の上限が(確か)30000ルピーだったので、二人分として12万ルピーキャッシングしておいた。なお最初は二人で1日5000ルピー、それを2週間で70000ルピーと計算し、余裕見て12万ルピーにしたのだが、なんだかんだWiFi買ったりあれこれしてけっこう足りなくなったので、15万ルピー以上あってもよかったかな? 何しろ山にいったらキャッシングが難しくなる(高くなる)ので。

さらに超念の為数十ドル、数万円も持っていったが山では使わなかった。ドルは戻った後カトマンズのタクシーで使った。ネパールは1ルピー以下の硬貨もあるらしいのだが、一度も目にしなかった。基本的に観光客はルピー単位で行動することになる。

SIM

次は携帯のSIMを購入。そこらへんはいろいろ情報があるけど俺らはNcellの1ヶ月弱30GB?くらいのプランを購入。細かいことは覚えてない。山の方にいくと入ったり入らなかったり(ナムチェ以降ほぼ入らず)で、もう少し電波あるとよかったがまあそんなもんだろう。どちらにしろ600ルピーもしないくらいで激安。それでやっていけるのだろうか。
※翌年のトレッキングで両方を比較したがNcellよりNepal Telecomのほうが断然繋がることがわかった(それでも繋がらない場所は多いが)

明日の朝はトリブバン国際空港からルクラ空港へ飛ぶので、中心街であるタメルまで出ないで空港から歩いていける範囲でホテルを予約していた。空港を出るとタクシーの客引きに声をかけられるが歩きなので関係ない。ところが一人日本語で話しかけてきた客引きが、明日の飛行機はどうするのかと聞いてきたのでルクラまで飛行機で行くよと答えると「ここからルクラまで飛行機ではいけない」と言ってきた。トリブバン国際空港からルクラへのフライトはもともといろいろあるのだが2024年秋は9月に発生した大洪水の関係でさらに情報が錯綜しており、この客引きもそれのことを言っていたと思うのだが何しろ向こうの日本語もそこまでうまくないし俺も英語でそんなに明確にやりとりができないのでらちが明かない状態に。しかし最終的には俺らがすでに予約していて決済も済んでいるという情報を見せて納得してもらうことができた。

そのあと今度はガイドを紹介するというのをかなり強く押してきた。俺らはガイドなしでのトレッキングをするので不要なのだが、まあガイドありはガイドありでメリットも多いので彼がガイドは絶対必要だと主張するのも理解できないわけではない。だがなんとか断って空港を離脱。空港出るだけでもう疲労してきたぞ。

ホテル

そして20分ほど歩いた予約済みのホテルに行くと、あんまりやってる様子がない。中のロビーでごろごろしてた若者に英語でなんとか話をすると誰かに電話してくれ、ここで待てと言われる。横に日本語の教科書がおいてあったので手に取ると彼のものだという。なぜ彼は日本語を学ぼうと思ったのだろうか。何にせよ彼はまだほとんど日本語はできなかった。

20分ほど待ってやってきた人に車に乗れと言われる。どうやら系列ホテルが数軒あり、予約で送られきたメールに記載されているホテルは違うものだったようだ。やれやれ。どこまで行くのかと思ったらすぐ近くだった。別にここに行ってくれと言われれば歩いてきたのにな。部屋は十分に綺麗でシャワーも付いている。明日からはシャワーなし生活になるので最後に念入りにシャワーを浴びる。

明日は早いのだがせっかくカトマンドゥについたので少しだけ夜の街を散策。ネパールはとにかく電飾が大好き。街中も田舎もイルミネーションを設置しまくる。今は以前ほど停電は発生しないというが、それでも電力供給に不安がある国でここまで人々をイルミネーションに駆り立てるモチベーションはなんなのだろう。 

※このときは光の祭り「ティハール」の直前だったのでそれで電飾が特に多かったと後で気づいた。翌年はさほど電飾なかった



iPhone

スマホはiPhone 14 Pro Maxを使っていたのだが、ネパール行き直前に届いた16 Pro Maxに乗り換えて持ってきた。iPhoneのカメラは長らくAI処理でコントラストとハイライトを強くしすぎる傾向がありそれがとても好きではなかったのだが、15でそれが改善されたこともあったのでこのタイミングで買い替えたのだ。下の写真は夜の街だが以前のiPhoneならものすごくエッジのたった写真になってしまっていただろう状況だが自然な雰囲気をちゃんと保っている。高いが買い替えてよかった。もちろん充電ポートがUSB Type-Cになって、Androidを使う彼女と共有できるようになったのもかなり大きな利便性の向上だ。

夜のカトマンドゥ散策も楽しいが明日からの本番に備えてホテルに戻り就寝。

2020年7月27日月曜日

10年ぶり?に登場した水窪、池の平に行った話。

前日譚

朝日を浴びる池の平

みなさん水窪って場所をご存知でしょうか。今は静岡県浜松市天竜区になっていますが大都会浜松駅より車で2時間弱、電車で行こうものなら豊橋経由で飯田線にのってたっぷり3時間はかかろうかというかなり辺p…山間の街です。全国的な知名度は低めですが最近だと大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台高根城がある場所ということで注目を集めました。あと、中央構造線上にあるので地形好きにも見逃せない場所です。

俺は故あって今までに水窪を2度訪れたことがあり、どちらのときも大変楽しい時間を過ごせたのでとても好きな街なんですが、前から再訪したいと思う理由がありました。それが今回お伝えする池の平です。

池の平というのは地名でもあるんですが、より具体的には「7年に1度山中に池が現れる」という現象を指す言葉でもあります。これは遠州七不思議の一つに数えられ、伝説的な謂れが多い中で実際の現象を伴う珍しい怪異とも言えます。

前回の登場が2010年(または2011年)であり、7年に1度ということから言えば次は2017年(ないしは2018年)ということになりますがどうも近年は間隔がずれており既に7年を過ぎているが現れたという話が一向に聞こえてこない。

そのため、現れるのはだいたい夏前後ということなので毎年春になるとTwitterで情報提供を呼びかけていました。(あとGoogle Alertで「水窪 池の平」という情報が新たに出ると通知されるようにしてる)

それでも特に進展がないまま数年経ってたのですが、今年ちょっと目新しい情報が出てきました。それはデイリーポータルZで紹介された以下のブログです。


これは2010年のときの話ですが、今までのネット上の情報のように曖昧な書き方をせず、非常に具体的かつ詳細なレポートがされている。

このブログ記事をツイートで紹介しました。

そうしたところ2020年07月15日(水)にとある方からTwitterにDMで「本日池の平に行ってきました(池があった)」とご報告を頂きました。どうやらその方は上記のレポートを読み、そこからある推測を行い、「今池の平は出ているのでは?」と予想し、行ったところ実際に出ていたということのようです。自分としては人の報告を待ってから現地に向かうということしか考えていなかったので、遠隔で登場を予想する手段があるとはまったく予想外でした。

そしてその方によるとその時点で満水で深さは背丈ほどということでした。過去の記録によると1日20センチほどで減少していくということなので1週間は持つのではないか、と考えました。個人的な事情で今年は有給が残り少ないのでなるべくなら平日に休まず土日で行きたかったんですよね。このペースなら土日でも間に合いそう(ついでに木金と雨が降りそうなので、それで減少ペースが鈍化する期待もあった)なので週末に行くことにしました。

交通手段

車を持たない俺は水窪まで電車でいくしかない。関東からだと新幹線で豊橋まで行き、そこで飯田線に乗り換えます。少し前の豪雨で飯田線に不通区間が発生しているんですが水窪までは各停がある(特急は運休中)ので水窪の一つ手前の向市場駅まで行きます。

なお2020年7月27日現在でも飯田線の水窪〜平岡間は運休中であり、復旧は夏以降になる見込みです。

かつ水窪と浜松を結ぶ主要道路である国道152号線も土砂崩れの影響で片側通行になっている区間があり、時間によっては50分待ちになる場合もあります。
帰りにフォロワーと合流し乗せてもらった車内より

これらの状況は後で述べる予想と関係してきます。

登山道

メインの登山道は水窪橋の交差点から後河内川沿いの林道を少し登った先になります。

ここまでは林道は激狭いということはないですが広くもないので路上駐車はできないと思ったほうが良いです。近くだと水窪総合体育館の駐車場が広いように思いますが使えるのか確認はしてません。車で行く人は林道に入らず手前で駐車スペース探したほうが良いと思います。住民の邪魔にならないようご注意ください。

登山口

登山口にははっきりとした看板が建てられているので見逃すことはないでしょう。これから先の道は山に生きる会の方々が整備されているようですが、遊歩道ではないので登山の準備が必要です。また、俺は機材を色々持っていったこともあって荷物がかなり重かったんですが、到着にきっちり2時間以上かかりました。荷物少なくても山道に慣れてないなら2時間〜2時間半は見ておいたほうが良いです。なるべくならここの登山ノートに記入しておきましょう(といいつつ鉛筆を持ってなくて俺は記入しませんでした)。

ヤマビルとの戦い

友人の足に食いつくヤマビル

そしてこの登山道は異様にヤマビルが多いです。関東だと丹沢山系なんかでヤマビルが多いことで有名ですが、そこの数倍はいる感じがします。ヤマビルって元気だとゆっくりうねうねではなく素早くぴょんぴょんと飛び移ってくるんですよ。

ヤマビルがいるという情報はもらっていたのでヤマビル忌避剤は買っていきました。これはかなり効きます。靴にかけておくと登ってきても途中で落ちていきます。ただそれでもものすごく数が多いので、一度二度はやられる覚悟をしておいてください。俺は気づかないうちに腰に張り付いていたようで下山後に見たら腰が血まみれになっていました。

なおヤマビルに吸われても基本的には血がしばらくたらたら流れるという以外は大きなトラブルはありません。しかしどうしてもヤマビルにやられたくない、触りたくない、という場合は池の平を諦めたほうがいいでしょう。池の平を見なくても死にませんし。

ところでヤマビル忌避剤の主要成分はディートのようです。ディートと言えば通常の虫除けスプレーの成分でもある。どうやら濃度が違うようですが、もし専用のヤマビル忌避剤の購入ができなかったらディート入りの虫除けスプレーでも代用は可能だと思われます。あと水窪橋にある水窪路の里というお土産屋でもディート不使用のヤマビル忌避剤を販売していました。

携帯の電波

俺はドコモ回線の楽天モバイルユーザーですが、池の平峠近くまでは微弱ながら4Gが入りました。峠を越えてちょっとの間は3Gが入りましたが、池の平周辺では繋がらなかった。auは可能性ありますがSoftbankは難しいと思ったほうが良いでしょう。必要な連絡は林道に入る前に済ませておくことをおすすめします。

池の平との出会い

奥に新池が見えている

汗をダラダラ流しながら峠を越えたらあと少しです。座って休憩したいがヤマビルのことを考えると座れない、という矛盾。峠から10分ちょっと下ると池の平の看板があります。(池が出ていれば)看板の奥に池が見えるはずです。

上記水窪観光協会のサイトにある概略図を見ると、池が新池と元池に分かれているのが見えると思います。この看板が出ている場所は新池にあたります。新池がいつから出るようになったのか、といったことはわかりませんが、実は元池のほうがかなり規模が大きいです。

元池

池の平 元池

新池の看板から5分ほど下ったところに元池があります。元池のほうは規模が大きく、深さもかなりある。中心の水深は自分が見たときで2m以上はあったのではないかと思います。しかし実を言うとというか、池の平周辺の山は杉の植林が営まれている人工林です。そして元池のほうがなんとなく「人工ぽさ」が強いんですよね。なので新池が先に消えていたとかせっかくなのでってことであれば元池も見ると良いですが、もし元池の方を見忘れたってことでも新池を見てれば悔しがることはないかと思います。

なお俺のライフワークである日本山岳水泳協会の活動のため水着を持っていって入ったんですが、水温はほどほどで激冷たいってことはなかったです。1分くらいなら平気。ヤマビル対策のためきちんと脱衣用のシートもサンダルも持っていきました。完璧。

ドローン(Mavic mini)を持っていって撮影しました。池の平をドローンで撮ったのはもしかしてこれが初めてかもしれませんね。しかし森の中でGPS信号が捕まらず、Mavic miniは近接センサーがついてないため流されて木に激突しあえなく水没させてしまいましたw 池の平にドローンを水没させたのも俺が初めてかもしれません。なんとか回収できたので保険で交換する予定です。水着持っていってよかった。

新池



新池がいつから現れたのかはわかりません。しかし新池はシダが多く沈んでいて、自然林ぽく見えるんですよね。Twitterで「もののけ姫っぽい」というリプライを多くもらいましたが、そういう雰囲気は断然新池のほうです。ただ新池は少し浅い上に西側に出口があって、これ以上水が増えたとしてもそこから流れ出ていってしまいます。そのためおそらくはいつも新池のほうが先に消えるのではないかと思います。

発生のメカニズム

さて池があることは実際に確認できたわけですが、どうして池の平は現れるのでしょうか。前述の週末大冒険のサイト含め、いくつかのサイトで検討されているが共通である予想は「雨水か湧き水である」という予想だ。これはまあ当然で、山の上にあって川が流れてないのだから水の由来は雨以外にない。あとは雨が直接溜まったのか、一度地中に潜ってそれが湧き出てくるのかってことでしょう。

ここで実は観光協会に電話した時に少し興味深いことを聞いたのでお伝えします。地主の方曰く「本来の池の平は雨に関係なく湧いてくるもの、雨水が溜まるってことはままある」らしい。その言葉を鵜呑みにするなら、今回の池の平は明らかに雨水が直接溜まったもので湧き水ではない。

しかし水がいきなり地中に発生するわけもないので水が雨によることは間違いない。となると、以下の図のようなことが考えられないでしょうか。


普段は雨が降っても土中に浸透していくため池は発生しません。
しかしかなりの雨が降ると浸透力を越えるため水が表層に溢れ池が発生します。これが今回の発生です①。
そして染み込んだ大量の雨水はしばらく経ってから下に湧いてくるため「雨が降ってないのに池が出現」します。これが本来の池の平です②。
ネット上の情報でも「降雨後一月ほど経ってから現れる」という記述を見ることができ、この考えと一致します。

では7年に一度、という間隔についてはどう考えるべきでしょうか。この点に関して俺は週末大冒険の意見と同じく「民俗学的な伝承である」という立場です。実は以前から「本当は雨が降ったら出てるけど、誰も見に行ってないのでは?」という予想はしていました。そして実際いってみて、現地は杉林の人工林とはいえ常時人が立ち入るような場所ではないことが確認できました。人気の登山ルートではないし、ましてや雨が降ったら誰も近寄らないでしょう。数日間以上1人も入山しないときなんてザラにあるはずです。となれば、出現したとしても気が付かれないという可能性は高いでしょう。

もちろんこれは俺が勝手に考えたずぶの素人の根拠のない意見であり、絶対これが正しいと主張するつもりは毛頭ありません。ただ、ウェブにある情報や今回現地でみた環境を考慮すると、そういったことも考えられるのではないか、という話です。

今後の発生予測

さて以上のことを踏まえますと、実は2020年7月27日(月)現在、再出現している可能性もあると思っています。なぜなら7月25日、26日と水窪ではかなりの降雨があり、それによってまだ乾ききっていなかった土壌から水が溢れているのではないか、と考えられるからです。

そしてもう一つ、たっぷりと水を吸った山は今後一ヶ月かけて濾過し水を吐き出します。それが十分な量であれば、8月中旬〜下旬にかけて真・池の平が登場するかもしれません。

現地へ向かうときの注意事項

池の平自体の話は以上なんですが、向かう時に注意してほしいこと、お願いがいくつかあります。

まず今年に関しては新型コロナウイルスの感染予防の観点から現地では数少ない飲食店が営業自粛、または短縮しています。観光協会も公式に案内はしていません。そのため、必要な準備は地元で揃えてから行くほうが良いでしょう。

そしてとても大事なことですが、飯田線に運休区間があったり国道152号線が土砂崩れを起こしているように、池の平が現れるということは豪雨のあとであって、山も道が緩んでいるということです。自分が歩いたときも崩れかけている箇所がいくつもありました。あの後も雨が続いたことを考えるとさらに崩れている可能性もあります。登山経験がない人が向かうにはハードルが高く、ましてや単独で入るのはかなり危険であると思ってください。3000mのアルプスより、ひと気のない低山のほうが遭難リスクは高いです。滑り落ちても誰も通らないし、携帯は繋がらないかもしれません。
こんな箇所がいくつもあります

注)2020年7月26日の大雨では水窪地域に土砂災害の警戒レベル3が発令され、2020年7月27日現在も警戒レベル2が継続しています。

個人的には今すぐ向かうより、状況が諸々整うと考えて一ヶ月後の登場を期待するほうをおすすめします。


そして水窪という街自体とても良い場所なので、街の雰囲気も楽しんでもらえたらと思います。

なお朝は山で日が遮られているのでモヤに日が差し込むのは少し日が昇ってからです。明るくなってから登り始めても十分モヤに間に合うと思います。

<追記> 池の平の未来

Google Mapsの衛星写真で見るとわかるんですが、池の平の北側にあるボンガ塚という山と南側の方に林道が伸びています。

実は何年か前にこの南側の林道を友人の車で行けるところまで行ったことがあるんですが、舗装したかなり立派な林道を作っていました。この感じからするとどうも北の林道と南の林道をつなげるつもりなんじゃないかなって気がします。もしそうなれば確実に池の平のそばを通ることになり、池の平へのアクセスは簡易になるでしょう。そうなったら「行くのが困難な幻の池」ではなくなるし、もしかしたら毎年池が出るときがあるって判明することになるかもしれません。

そうなったとしたらそれはそれで受け入れるしかないわけですが、俺としては幻と言われるうちに見ておきたかった、という気持ちもありました。なので、また池の平を見に行くことはあるかもしれませんが、幻を追いかけた日々は終わった、という気持ちです。

完