Tuesday, January 28, 2025

2024-10-13 ネパール・エベレストトレッキング1日目 カトマンドゥ〜ルクラ〜パクディン

ルクラへのフライト

2024年前後においてネパールの空の窓口であるトリブバン国際空港は非常に混雑していて、国の方針としては地方路線はなるべく近郊の空港に行かせたいという思惑があるようでネットで調べるとカトマンドゥからバスで数時間走ったところにあるラムチャップ空港からの便を使うという案内が出てくる。そのためには夜中の1時くらいに乗るバスを予約して早朝にラムチャップ空港について飛行機に乗る(飛ばなかったらドンマイ)ということをする必要がある。俺らも当初はそのバスを予約していたのだが、2024年は9月中旬モンスーンの終わり寸前になってネパールは大洪水に見舞われラムチャップ空港まで向かう道路が寸断され、ラムチャップ空港が使えないという事態になってしまった。

ルクラまで飛行機で行かない場合は途中までバスやジープで移動する手段もあるのだが、それをするとルクラまで数日歩く必要が発生し日数的に避けたい。それで調べているととあるネパールのトレッキングを取り扱ってるツーリングサービスがこの辺のことを頻繁に情報を更新してくれていた。それによると最初はトリブバン国際空港から南のジャナクプル空港に向かい、そこで乗り換えてルクラ空港に向かうという迂回経路が示されていた。時間はかかるが仕方ないかと思いつつ、そのサイトで書かれていたWhatsAppの番号にチャットで連絡を取り聞いてみるとなんとトリブバン国際空港からルクラへ直接飛ぶ飛行機が予約できるよと言うではないか。もうこの辺から情報が錯綜しすぎて何がなんだかわからなくなってきてるのだが、最終的にトリブバン国際空港からルクラへのシートを一週間前に予約しておいた。

(ネパールはかなりWhatsApp文化なので、行く前にWhatsApp入れてアカウント作っておくと何かと便利だ。現地の人とやり取りするのにかなり役立った)

で、この予約は座席の予約であって便の予約ではない。なので何時に空港に行けばいいのかわからずやきもきしていたのだがフライト前日の昼になって航空券のPDFを送ってきて、フライトの1時間前に空港に来いということだった。フライトは8時なので最低7時、不慣れな土地ということもあって6時半にはついていようということで6時にホテルを出発。こんな時間なのにホテルのカウンターにはちゃんと受付がいたのでチップを少し渡してチェックアウト。チップはいつも100〜200ルピーくらい渡していた。

空港前の24時間やってるカフェで朝食。ライ麦のサンドイッチ?観光価格でそんな安い訳では無いが仕方ない。これが現地で食べる最初の食事だな。思ったより出てくるのに時間がかかったのでコーヒーはテイクアウトにしてもらった。

国内線カウンターに7時頃到着。航空券を見せるが、受付開始したら案内板をかけるからそれまで待て、とのこと。ここからひたすら待つ。航空券に書いてあった8時を過ぎても動きはない。しかし同じ便の搭乗客と話をしてみんな待ってるので自分たちが置いてけぼりを食ってるわけではないという謎の安心感はある。

10時頃やっと受付が始まって荷物を計測。預け荷物が10kg、手荷物が5kgまで無料だったかな?うまく分割して、あと服のポケットに突っ込んだりしてぎりぎり15kgに収めることができた。しかし搭乗ロビーでも1時間待たされて、本当に今日乗れるのかと不安になるが11時前にバスに案内されやっと乗れるぅ!とみんな笑顔に。


俺達が乗った飛行機の座席図。山を見るためなるべく左に座りたかったが取られてしまい右に座った。

通路を挟んで窓の向こうに見えるヒマラヤ。山座同定はできず。

PeakFinder

山座同定には他のブログで紹介されていたPeakFinderというアプリを購入していった。エベレスト周辺をダウンロードしておいたのだがなぜか途中でデータが消えて、データを再ダウンロードするためにWi-Fiを購入する必要があった。↓こんな感じでデータと実際の風景を重ね合わせて同定できる機能があるのでわかりやすい。

ルクラ

予定よりは3時間遅くなったが12時に無事ルクラ到着。でもまあ飛べば御の字と思っていたのでありがたや。荷物を受け取り街を歩きながら水の消毒剤(アクアタブレット)と帽子と地図を購入。アクアタブレットは安かった。しかし帽子が800ルピーくらいでけっこう高かったな。少し値切ってみるべきだったか。

ルクラは標高が3000m近いので高度順応のために少し休んでから出発することが推奨されている。といってもルクラから先はしばらく下る一方なので、正直そんなに気にしなくてもいい気もするが… まあご飯は食べたいのでローカルっぽいレストランに入ってみる。観光客ウケはあまりしない感じ。よくわからないが(ベジ)トゥクパというヌードルを頼んでみたところうどん的なものが出てきた。というかうどん。トゥクパはめちゃくちゃ美味しいってわけではないがとても食べやすい(そして安い)ので食欲がないときにはとても重宝した。
カレー風味になってるのはネパールあるある

高山病対策

昔は高山病対策にダイアモックスを飲むというのは裏技的であまり推奨されていなかったように思うが今は普通に処方されるようだ。俺は3000mの山には登れるけど2500mを超えると息が切れてきてあまり高地に強くないのは自覚しているのでダイアモックスを飲むことにした。現地の薬局でも買えるらしいけどよくわからないので日本のオンライン診療で処方してくれる病院に診てもらって、20日分くらい出してもらった。確か7000円くらい。現地だと多分1000ルピーしないだろうが。そしてダイアモックスを高地にいく前日から1日2回半分ずつ3日間ほど飲んだら予防は終了で、あとは適時症状が出たら飲むという形。俺達は結局高山病っぽいなと思ったり、標高高いところ行く前に飲んでたら20日分全部飲みきって帰ってきた。でもそのおかげでひどい高山病にはならなかった。

パクディンへ出発

お昼を食べて13時頃本格的に出発。ルクラから出発した当日はだいたいパクディンまで行く人が多い。飛行機が早く着いていればもっと先のチュモアまで行けるかと思っていたが13時出発なので俺らもパクディンを目指すことにした。

ルクラの街を出たところで何か人が並んでチケットがどうこうって書いてある場所があった。俺はよくわかってなかったのだがエベレストトレッキングをするためには国立公園への入場料3000ルピーと、許可証3000ルピーの二枚が必要なのだ(それくらい調べとけって話だが)。ここでは入場料の方を払ってトレッキングカードを受け取ることができる…のだが俺はよくわからずスルーしてしまった。といっても翌日関門があって、そこでどちらも入手できるので大丈夫。ただこっちのほうがスムーズに受付してくれそうだったので、こっちでもらっといたほうがいいかも。

ルート上によくあるマニ石は左側を通るのが一応正しい歩き方。マニ石だけでなく奥に見えてる柱とかもガイドやポーターは左を通っていく。俺らもなるべくそうしていたものの、疲労してくると左側に遠回りする気力がないことも。。。

アップルガーデン

暫く行くとアップルガーデンロッジというロッジがあった。この近くにりんご園があるそうだ。このりんご園、実は日本のNGOが関与しているようなのだが、その起源に俺の探している人の影響があるのではないか…と思っている。ちょっと話を聞いてみたかったがタイミングが合わずそのまま通過。

ポーター

トレッキングルートを歩くのはトレッカーだけでなく、それと同じくらいの数じゃないかと思うくらい荷物を運ぶポーターがいる。トレッカーもほとんどの人はガイドやポーターを雇っていて、俺らのようにガイドもポーターもなしというのはざっと見て数%くらいじゃないだろうか。ポーターを雇えば当然荷物を持ってもらえるので楽だし、あとから聞いたところによると重い荷物を背負ってると血行が悪くなり高山病になりやすいらしい。ポーターを雇ってる人のほうが高山病ならないってのは意外なあるあるだとか。ガイドも宿の交渉などをやってくれるので困ったときには安心な存在だろう。なおルクラ〜ナムチェバザールくらいはいっぱい人がいるので雇わずにいってやっぱいたほうがいいなと思ったらその場で雇うってのも全然できると思う。俺達は最後までポーターガイドなしだったけど運が良かったという側面も否定できない。

パクディン到着

少しくらくなりかけたところでパクディンに到着。宿は予約するものではないので飛び込みで聞いていくわけだが、最初に扉を開けたところがかなりおしゃれっぽかったのでやめておいて、その隣のロッジで聞いてみたらOKだった。というかこのあとも部屋がないと言われたことは一度もなかった。10月中旬は一番のハイシーズンのはずだが。

ロッジとレストランとティーハウス

ネパールのトレッキングにおけるロッジの料金はちょっと特殊で、部屋代はどこでもだいたい500ルピーくらいとかなり安い。交渉次第ではただにできたりするようだ(俺らは部屋代は交渉しなかったのでいつも払ってた)。しかし代わりにロッジは必ずレストランが一緒になっていて夕食と朝食はそこで取るというのがルールになっている。ようは食事代で部屋代を賄うというシステムだ。ロッジによってはうちで食事しないときは〇〇ルピー払ってねとメニューに書いてあったりする。ところがこれがだいたい安い食事より高いペナルティーなのだ。だったら安い食事頼んで食べなければいいってことになるのでは…。ネパールにはこういう謎なシステムが多い。

なのでロッジの食事の料金は実質部屋代込みなので少し高い。集落にはたまにティーハウスという宿泊はやってない食事処があって、そこで食べると宿代がない分安い。といっても夜と朝はロッジで食べるからティーハウスを使えるのは実際にはランチのみだが。

あと夕食後に朝食の注文をする形になっている(飲み物はいつ頼んでもOK)。しかし朝食は7時頃からというロッジが多い。日本の登山に慣れていると7時朝食というのは遅くてやきもきするが、ここらへんがトレッキングと登山の違いとも言える。しかも出てくる順番によってはさらに遅くなり、朝食食べたら8時過ぎ、ということもある。ただエベレストトレッキングはだいたい一日4時間くらい、長くて6時間というのが安全な行動時間。だから朝が多少遅くても慌てることはない。

部屋に案内され初めてのロッジに投宿。布団がなかったので、布団は別料金なのかなーと思って自分たちの寝袋を使って寝たのだがこのあと2週間一度も布団がない部屋はなくて、ここは布団出すの忘れてたんだなと気がついた(笑)

入りたかったわけではないけどシャワーいくら?と聞いたら冷水なら無料だよと言われ冷水シャワー浴びてみたら死ぬほど寒くなったのでおすすめしない。トイレはここは洋式かつ水洗だけどたいていの場所は柄杓で自分で水を流す方式。トイレットペーパーはゴミ箱に入れる、日本の山小屋と同じシステムだ。というかネパールの現地の人はトイレットペーパーを使わないらしい。なのでトイレットペーパーを使うのはトレッキング客のみで、現地で買うと高い。

晩ごはんはピザとホットミルク。野菜はサービスしてくれた。ネパールの食事はどこも美味しい。まずいと思ったことは一度もなかったな。ただしメニューがどのロッジ、レストランもほとんど一緒で代わり映えはしない。
ネパールの人は食事を提供したあとどうだ?と聞くのが好きなようだ。だいたいみんな英語でやり取りするのでグッド!といえばいいのだが、このやり取りを想定してグーグル翻訳で調べてあった「ラムロスヴァ!」と言ったらとてもウケた。

水事情

ネパールの都市部は水事情があまりよろしくないので基本的にペットボトルの水を飲むことが推奨されている。山間部でも水がきれいに見えても日本のように保健所が水質検査をしているわけではないから不用意にロッジで(基本無料で)提供される水をそのまま飲むのは避けたほうがいい。そこで方策としてはあるのは4つくらいだろうか。
  1. ペットボトルを買う。ロッジに限らずトレッキングコースには小さな商店が点在していてそこで飲料やちょっとしたお菓子を買うことができる。しかしもちろんポーターが運んでいるため重さのある飲料は高めで、高地に行けば行くほど高くなっていく。富裕層向けと言える。
  2. 消毒剤(アクアタブレット)を使う。俺達の使った方法。商店で20個入り150ルピーくらいでアクアタブレットという錠剤を買える。一粒で1リットルくらい。溶けたあと飲んでみると僅かに消毒の匂いがするがほとんど気にならないし、水も美味しかった。最後までお腹を壊すことはなかった。
  3. 浄化器を使う。浄化器を使っている人たちもちょいちょい見かけた(ヨーロッパ系に多い?)。浄化するのにちょっと時間がかかるため少し面倒かもしれない。
  4. 煮沸する。 これは途中で気がついたのだが、飛行機にガス缶は持ち込めなくてもバーナーは持ってこれるので、バーナーだけ持ってきてルクラとかナムチェでガス缶を買って自分たちで水を沸かしたらかなり飲み物代の節約になるかもしれない。ただ飲用の水をいちいち煮沸するのはやっぱ面倒だと思う。ということで総合的にはアクアタブレットが良いと思う。
ロッジの横にあった商店。写真見て今さら気がついたけど凧が忍者ハットリくんだ。


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