Sunday, March 4, 2018

2017-09-02 群馬 沼田 草津温泉

朝早い電車で沼田駅までやってきた。新宿からのバスもあるが、それだと沼田IC下車になるので沼田駅まで遠い。沼田の河岸段丘をじっくりと見たいならそれもありだが自分の場合河岸段丘はほどほどなので沼田駅が便利。

駅前にはいきなり「日本一有名な河岸段丘」のノボリが。大きさとして日本一なのはおそらく津南町の河岸段丘だけど、「日本一有名な」と曖昧なところで勝負してくる。後ろにはすでに河岸段丘が見えている。多摩川の河岸段丘である国分寺崖線と比べると段差が圧倒的だ。

さっそく河岸段丘の上に登り沼田駅方面を眺める。沼田は駅前も多少商店街があるがメインの市街地は段丘上にある。ただ段丘の上の面が広く、「塙」のような尖った地形にはなっていない。

正面に見えるのは子持山。なかなかかっこいい山容で登ってみたくなる。

アオダイショウくんがいました。体長1mちょっとなのでアオダイショウとしてはまだまだ小ぶり。アオダイショウは匂いがつくのであまり素手で捕まえるのはおすすめしない。ただ彼はあまり臭くなかった。

沼田で一番見たかった階段が見えてきた。地図上では階段になってるんだけど、ストリートビューでみてもどういう構造になってるのかよくわからなかった。もしかしてあんま面白いものじゃないかもなーと思ってきてみたんだけど。

なんですかこれは!!


うおおおおおおお

屋根はトタンなんだけどそれを支える柱や内側はすべて木製で、大きくねじれながら下に降りていく芸術的な構造物。雪が降ったときに階段で転ばないように屋根を付けるのは群馬に多い建築なんだけど、この規模、形状のものはおそらく他にないだろう。白く塗られた木材が非常に美しい。ナガシマスパーランドに木製コースターのホワイトサイクロンというものがあるけど、これは沼田のホワイトサイクロンだ。こんないいものをタダで見せてもらっていいのだろうか。いや金取られたらいやだけど。


下の外からみるとこんな感じ。これだと中があんなすごいことになってるとはわからないね。しかしこれは本当に木造建築美の極致だと思うのでもう少し取り上げられてもいいと思う。


休日でちょうどSLが沼田を通過する時間だったので段丘の上からSLを見た。数分もすると石炭の匂いが風で運ばれてくる。実にのどかな風景だけど、この10分後に乗る電車が沼田駅に到着するのでめっちゃ急いで駅に戻った。

駅前のデイリーヤマザキ内には休憩コーナーがあってストーブに飲食席があり、高校生が注文したうどんを食べていた。この他のコンビニにはない地元の商店感がデイリーヤマザキの素敵なところ。

沼田から一度渋川駅まで戻り渋川で吾妻線に乗り換え、中之条駅を目指す。

中之条はちょうどお祭りの日で屋台がいっぱい出てて神輿もあった。


正面に見えるのは榛名山。榛名山はカルデラ湖を持つ火山なので横からみるとギザギザしてるけど、カルデラを作る噴火の前はあそこにどーんと巨大な独立峰があったのだろうか。

中之条駅前に意味不明な写真がいっぱい展示してあったんだけど、あとで調べたところによると中之条ビエンナーレという芸術祭の一環だったようだ。なんの説明もなかったので知らずに出くわすと恐怖を覚える。

中之条の次は長野原草津口駅で下車して徒歩で草津温泉を目指す。左に見える鉄橋は太子線の遺構。吾妻線から草津温泉まで歩くなら群馬大津駅で降りて日本ロマンチック街道を行くほうが早いと思うけど、車通りが多いし途中に集落が少ないので、あえて六合経由でいくことにした。

うっかり水を切らしてしまい自販機がない区間で、道端の斜面から水が滴り落ちていたのでこれで喉を潤す。

赤岩集落。

木造の家や土蔵が多くめっちゃ雰囲気のある集落だった。農家民宿もあったし、知る人ぞ知るって場所なのかもしれない。集落内に温泉もあるし。

 太子駅跡。
鉱石を運搬車に入れるためのホッパー。鉱山関係の廃墟ではよく見かける。

段々暗くなってきた。軽トラのおじちゃんがどこまで行くの?と話しかけてきた。方向が一緒だったら送ってくれるつもりだったんだろう。しかし自分はここから草津温泉にいくというと「歩きだと4時間くらいかかるんじゃないかなー」と言っていたが、実際には2時間弱であった。地元の人はだいたい車でしか移動しないから徒歩での時間感覚がない。徒歩旅をしてるときのあるあるだ。

あとこのおじさんあとからまたやってきて「さっき六合郵便局のこと「ろくごう」っていったけど「ろくごう」じゃなくて「くに」だから」と教えてくれた。しかし自分は「郵便局のところで曲がります」と言っただけでそもそも「六合」という地名を認識していなかったんだけどな…w

そして1時間半ほど歩いて20時前に草津温泉のハズレにあるキャンプ場に到着。テントを張って早速草津温泉の共同湯に向かう。


いやー草津温泉て初めてなんだけど鄙びた温泉ばっかり見てきたのでこれはカルチャーショックだった。温泉というよりこれはもうエンターテイメント、レジャーランドだよね。特にこちとらテントを背負って数時間かけて歩いてきてこんなところに出たら、もう桃源郷に迷い込んだ気分だw

草津温泉の共同湯は無料なので熱い湯に浸かって疲れた体を癒やし、テントで気持ちよく就寝。